6/26 GISトレーニング UN-HABITATプリシュティナオフィスにて、自治体職員に対するGISトレーニングが実施される。GISについて知識のある方なら想像がつくと思うが、全くの素人に1日で教えることができる内容は限られている。GISとは何か?利用することによりどのようなメリットがあるのか、利用する場面、計画策定の際の使用例等々。実際に使いこなせるようになるには、ある程度まとまった期間のトレーニングを受けるか、もしくは実務で必要に迫られてスキルを身につけるしかない。
少なくともGISの存在と利用価値をまず伝えるのが目的のトレーニングである。ふれる機会があることだけでも重要であると思われる。
プリシュティナオフィスで交通専門家のグンナー、スーパーバイザーのフランクとフェリザイの交通特別部会の進め方について議論をする。2週間後に会議を設定し、中央政府の交通・コミュニケーション省、コソボ鉄道、バス会社のディレクター、KTA(Kosovo Trust Agency)、NGO、市交通担当、都市計画担当、都市計画コンサル等々を招集する方向を提案する。
市長・CEOとの意思疎通、NGOとの関わり、中心市街地にプリシュティナとスコピエと繋ぐ鉄道駅があることなどを総合して考え、フェリザイ市を公共交通プロジェクトのモデル都市として取り上げる方向で検討を進めることにする。
具体のアクションプロジェクトを立ち上げるには、広域公共交通について、上位の政策決定や政治判断が必要になるので、フランクに交通・コミュニケーション省とコソボ鉄道の意志決定ができる人物との事前ミーティング設定を依頼。中央政府レベルでの議論を先に行った後に、フェリザイでの議論を進めることにする。
6/27 テーマ別検討会SWOT分析(経済・産業グループ)
テーマ別検討部会がやっと具体的に動き始める。朝9時から会議が始まるものの、都市計画コンサルの役割について議論となる。今回からINTECHのプランナーであるドリトンが参加する。自治体職員は自治体でのSWOT分析のみならず、コンサルも提案すべきだと主張する。コンサルは、自治体の意見をもらって検討したいと主張。また、こうした検討会にほかの自治体では参加していないので参加は負担が大きいと答える。
こうした議論が1時間半、議論が始まる前に既にエネルギーを消費する。とりあえず休憩、コーヒーを飲みにでる。
SWOT分析については、同席して検討するのが良いだろうというところで落ち着く。
休憩の後、議論再開する。実は、全員、こうして集まって議論をして物事を決めていく経験ははじめてである。今までは、会議をして、意見を出し合って物事を決めるということをしていないということであるが、議論を始めるとなかなか皆雄弁である。一人が前で論点をまとめる。
自治体職員の数名はこうしたワークショップのトレーニングを事前に受けている。その成果が現れていると肌で感じる。
経済・産業について、農業土地利用の推進(現在KTAが土地を接収していて使えない土地がある)や工業地域の再生など、様々な意見が出される。ビジネスコミュニティとの連携の必要性、フェリザイには煉瓦の素材となる土の採掘場が多くあるが、加工する産業が発達していない、産業振興としてなにか考えられないか、等々。
議論は、昼ご飯を食べずに4時まで続く。スタッフが議論を続けている。
お腹は空いたが、嬉しい悲鳴である。
6/28 テーマ別検討会SWOT分析(自然・環境グループ) 前回のコンサル役割論の議論は必要ないので、早々に議論を始める。 旧法で指定されている自然保全地域の妥当性、今後指定すべきエリアについて。住環境、郊外の田園風景の保全、不法投棄による環境や景観への影響、採掘場と自然保全との関係、等々。
積極的に議論が進められる。おおむねの議論の流れ、指摘が不足している部分について補足と質問をする。
15:30からジラン担当のエリック、公共交通専門家のグンナーが現

地調査をかねてフェリザイに来る。自治体スタッフのムスタファとローカルスタッフのアイダと私でフェリザイの都市交通の状況について現地を歩きながら考える。特に線路と道路の交差部分のアンダーパスの可能性やバスセンターと鉄道駅との連携によるモビリティセンターの可能性についてアイデアを話しながら歩く。
17:30にHABITAT設備担当のアダムが、新しいパソコンをフェリザイオフィスに運んでくる。
やっと最新の設備が整う。
6/29 スタッフミーティング(公共交通) HABITATプリシュティナでミーティング。今回はグンナーによる公共交通に関するプレゼンテーション。彼は世界中で様々な交通インフラ整備に関わってきた経緯を持つ。
今回は母国スウェーデンの都市交通を中心にプレゼンが行われる。
一つは環状道路の整備について。各都市には2~3重の環状道路が整備されていること、インナーシティの道路パターンはある程度グリ

ッドを形成しており、交通のフレキシビリティを確保しつつ、交通規制を行っている。
公共交通システムについていえば、トラムやバスのネットワークが形成されており、自動車用レーンが優先されていない。歩行者用、自転車用通路も十分に整備されている。
コソボにおけるバスステーションは民営化が進められている。そのためバスのルートも路線も時間も自治体がコントロールできない。通常、こうした公共交通機関については公的助成があり、たとえ民間が運営していても公共がコントロールすべきである。
バスステーションも中心市街地には邪魔である、との発想で都市郊外部に移転することが考えられている。これは旧社会主義国の典型的な都市計画である。
我々は、公共交通機関の核を中心市街地に整備し、その連携を図ることで人を呼び込む、経済活動を活発にする契機とするとともに、公共交通機関の利用によるプライベートカーの中心市街地への乗り入れを減らすことを考えている。常識的発想であると思うが、理解を得るには時間が必要である。公共交通への投資が困難であること、現在なんとかなっていることを将来にむけて改善する意欲、長期的視野をもてない現状がある。
省スペースでの鉄道駅、バスターミナルの連携例など様々な議論を行う。
6/30 テーマ別検討会SWOT分析(公共交通グループ) 社会科学グループの取り扱う分野は非常に幅広い。人口問題、住宅、失業、保健、教育、文化とスポーツ。将来人口の考え方、住宅環境、教育について特に集中した議論が進められる。 議論が多岐に渡り、会議は朝から夕方まで昼ご飯を食べるまもなく会議が続けられる。
何度かの休憩をとっているが、お昼の時間を提案すると人が戻ってこない気がする。特に問題なく自治体スタッフが議論を進められるならば、見守ることにする。
アイダに会議を任せ、今日は早々に切り上げて、フェリザイ駅から電車に乗ってスコピエへ。電車は冷房がなく、あまりにも天気が良くて暑い。
14時頃電車に乗る。スコピエには16時到着。スコピエ駅はバスターミナルと連携しており、すぐ隣のターミナルでソフィア行きのバスに乗り換える。16時半発。
あまりに小さいバスなので本当にソフィアに行くのか不安になる。あまり英語が通じない。
ブルガリアのソフィアとの時差は1時間。到着したのが10時前で約5時間のバスの旅。