Tuesday, July 25, 2006

(Supplement-3) Summer Holiday

7/28-8/13 ギリシャ・キクラデス諸島-イタリアにて夏期休暇。




















Abstract-38; Cohesion Planning in EU

7/17 資料作成
 明日のミーティングのための準備をする。
 何度か議論した後、英語、アルバニア語、セルビア語のバージョンをつくらなければならない。
 翻訳はフラマーがしてくれるが、文字を置き換えるのも、手間である。

7/18 Programme Development Meeting
 論点は 1.プランニングユニットの状況と、新たな部局設置について
       2.技術支援(コンサルタント)と計画の責任について
       3.市民参加と支援について
 
6自治体の市長とCEO、都市部局のディレクターを招待したが、残念ながら市長の参加はなし。 

 MESP(環境・都市空間計画省)は、プランニング部局を地方自治体に設置する意見を強く支持する一方で、地方自治体CEOは予算などの理由から難しいと主張する。
 少なからず、さまざまなプランニング組織体制の再見直しの議論が始まった。中央政府のプランニング機関(Institute of Spatial Planning)のスタッフを自治体に派遣するなどのアイデアもあがった。

7/19 Investment capacity team ミーティング
 フェリザイ市の公的企業が民営化した実態について、市職員、誰一人として全体像を把握していない。 大規模工場跡地やモビリティセンタープロジェクトを推進するうえでも、市民間企業の実態を把握しなければならない。
 コソヴォにはKTA(Kosovo Trust Agency)という組織があり、旧社会主義時代の公共の土地を凍結保有して、むやみに民間売却が進まないよう管理している。ここで情報を仕入れる必要がありそうである。 米国主体の組織であり、「自治体に土地を提供すれば売却して資金調達の道具にするだけだ」との認識をもっている、とHABITATスタッフから聞いている(ある意味、事実であるが、)。

 とにかく、初期資料収集を進める。

7/20 都市間-広域連携プランニング
 ESPON(European Spatial Planning Observation Network)による会合が6月末にアムステルダムで開催された。国際スタッフの代表としてコバが、中央政府のプランニング機関から1名が派遣された。
 会議ではリスボン戦略、国境を挟んだ都市間での機能分担、都市間連携事例について説明される。またEUの戦略的投資により改善されたイギリス・バーミンガムの事例報告なども報告されたとのこと。
 EU非加盟国であっても、空間プランニングに対する資金補助を受けられる枠組みがあるようだ。旧ユーゴスラビアの多くの国はEU非加盟で、ヨーロッパの地域空間計画のなかでは空白地帯となっている。

 ESPON http://www.espon.eu/
 EC http://www.coe.int/

7/21 MESPフェリザイ訪問+モビリティセンタープロジェクトについて議会対策
 午前中は中央政府のMESP(環境・都市空間計画省)がフェリザイ訪問。
 フェリザイ市のプランニングプロセスのモニタリングをしたいが、お呼びがかからないと文句がでる。
 自治体にプランニング部局を設置する必要性をCEOに再度説明する。
 午後はHABITATプリシュティナからフランクとグンナーが来る。CEOを囲んでモビリティセンタープロジェクト推進の合意を得る。議会説明資料の案をこちらから提示。
 議会で市長に説明する手はずを整える。
 海外事例としてスウェーデンの都市訪問の案をフランクが提示(HABITAT支援)。
 フランクは、出歩くのが好きな、人である。
 計画推進に、さまざまな手段でトップの熱意を引き出すのも重要である。
 帰りに皆で軽く飲み、交流を深める。

7/22 休日
 掃除・洗濯・料理・日用品買出し。主夫業にいそしむ。
 CNNではイスラエルのレバノン南部侵攻、ヘズボラとの戦闘のニュースが飛び交う。
 キプロス方面への難民も増加しており、国連が人道支援に介入しはじめている。

7/23 外出せず
 この週末は引きこもった。
 EUの都市空間政策について調べたり、読書したり。
 一人でのんびり過ごすのが結構好きである。

Monday, July 24, 2006

(Supplement-2) お雇い外国人としての憂鬱

夏期休暇前に、気持ちの整理。

お雇い外国人として最低限やることはなんだ?とちょこちょこと整理した。
やることがありすぎる、、、。 こんなもんじゃない、はっ、と思いあたるだけでこれだけある。

1年ちょいで、方向性だせないぞ??

プランナーを育てねば。良いプランナーが育てば面白いのに。頼りないトレーナーだけど、プランニングの重要性と楽しさが伝えられるといい。これも仕事のうち。
新しいプランニング部局ができて、ムスタファがディレクターになって次世代を育てる。彼が引退するころにまたきて、良くなったねと笑えるのが、当面の目標かもしれない。

50年経って生きていたら、見に来たいね、どうなったのか。 都市計画とはそんな仕事だとつくづくそう思う今日この頃。

Sunday, July 23, 2006

(Supplement-1) RTPI

PLANNING PLAYS IMPORTANT ROLE IN UN HABITAT AGENDA FOR WORLD POVERTY
http://www.rtpi.org.uk/

Friday, July 21, 2006

Abstract-37; Albania

7/14  アルバニアへ
 国際スタッフのコバからアルバニアへ行きたい、とメールを受け取っていた。またフランクがレンタカーでどこか隣接国へ出かけないかと話していたので、これを合わせて「アルバニア・レンタカー旅行」を企画した。レンタカーではなく、UN車で出かけることも可能である。ただし、目立つことと、ミッションエリア外でトラブルに巻き込まれたときに面倒なので、隣接ミッションエリアのマケドニア以外の国にはUN車で出かけない。
 週末旅行のつもりであったが、フランクが機転を利かせ、アルバニアのプランナーとアポをとり、ミーティングを金曜にセッティング。結果、仕事として出かけることになった。ボスがいいっていうんだから、、いいんでしょう、。
 木曜のスタッフミーティングが終わってフランクと集合。プリシュティナからは2人、途中のプリズレン在住の国際スタッフ、シアンのアパートでコバと合流、4人がシアンのアパートで1泊する。金曜日の朝にアルバニアへ向かう。
 
 レンタカーショップでもさまざまトラブルあり。長くなるので記録にとどめるのにみする。

 アルバニアへの陸路は山道であり、十分舗装されていない箇所も多い。山間部は緑豊かな景色のなかに岩肌が露出する耕作困難地がみられる。UNDPの活動看板が目に付く。
 国境周辺には、コンクリート製のバンカー(塹壕)があちらこちらにみられる。土に生えたマッシュルームが大きくなったもののような形状であり、紛争時の名残として放置されたままである。
 道すがら、子供達が道をビニールテープで封鎖し、タバコをくれ、と要求する。ある場所では道路の舗装が悪く、車がスピードを出せない場所を狙って、物乞いのため車にしがみついてくる。
 果物を売る者、高度が高くなると、果物さえなくなるためか、野花を束にして売る者。道路沿い、村落から遠くはなれた場所で、子供だけで物を売る姿は、農村部の貧しさを象徴している。
 子供が板にローラーを取り付けたものに小麦粉の袋を積んで、坂道を下っていく。
 
 教育も受けられない子供達の姿を見ると、鬱屈とした気分になる。

 車はカーブを何度も何度も曲がる、風景はとても美しく、自然そのものである。
 5-6時間山道を走るあいだに、4-5箇所程度の村落を通る。
 フランク曰く、「どうやって生き抜くか?この地域で。大麻栽培で、しのぎを得ようという発想も容易に想像できるよ。」
 
 アルバニアの首都ティラナ郊外へ入る、埃っぽく道路が未舗装、円の中心に瓦礫が積まれており、それがラウンドアバウトとして機能している。建物はアルバニア人独特の様式でプリシュティナを思い出す風景である。
 しかし、市中心部へと移動すると市街地の様相は一変する。広幅員で整備された道路、ムッソリーニ様式の建築物。イタリア人の建築家による都市復興が行われたと聞いている(中心市街地に発電所があったり、駅やバスターミナルが都市のエッジに立地していたりと、社会主義的な都市構造が残ってはいるが)。
 高層ビルオフィスも点在しており、資本主義経済が根付きはじめていることが都市の表情から見て取れる。アルバニア人による国家の姿に、将来のコソヴォを重ねてみる。
 内陸国で港もなく、目立つ産業もない、失業率が5割を超えるコソヴォの現状を踏まえると、これだけ経済活動が活発になることが考えられるだろうか。
 
 フランクがWUFⅢで知り合いになったアルバニアのプランナーの事務所へ向かう。彼らはNGOでドナーを資金源にしながら、市民参加のプロジェクトを推進している。自治体によるプランニングに対してまったくの信頼をもっていないようで、市民活動団体として自治体と真っ向向かい合っているようである。フランクの情報では、国のプランニング関係機関と聞いていたが、どうやら彼の勘違いだったようだ。
 HABITATでは自治体のプランニング支援(プランニングチーム)とともに、クリステイーナが主体となった市民活動団体支援(ソーシャルサイエンスチーム)も行なっている。後者の視点からは、よい交流がもてるかもしれない。コソヴォでの意見交換、フィールドビジットツアーの了承を得る。
 Co-plan ; http://www.co-plan.org/

 夕方から市内散策。魚料理とティラナの夜を4人で楽しむ。
 もらったガイドリーフレットの情報が面白い。NGO団体のなかに、UNが入っていた。
 「へー、UNってNGOだったんだ?」、とコバが爆笑する。

7/15  地元のビーチへ
 ティラナから海岸線方面へ。ドゥロスに行くも、海水浴客で大賑わい。
 北部の地元民が使うビーチを探す。海はモンテネグロやクロアチアに比べてきれいではない、が、ベルギー人のコバとフランクは、「ベルギーの海岸もこんなもんさ」と、海へ。シアンは散歩、私は日光浴。ごみ収集に馬車に乗った地元の人が来る。最後にはなぜかビーチを牛が闊歩し、子供が鞭でそれを追う。
 チェンジンという港町で宿泊。また魚料理を食べ、地元の人たちが盛り上がって踊るクラブらしきオープンテラスで飲む。アルバニアの音楽、コソヴォでも良く聴くポップミュージックが大音量で鳴り響く。老いも若きも踊る。シアンを除き、ついでにわれわれも、踊る。

7/16 湖ー帰途
 モンテネグロとの国境がある湖のほとり、シュコードラの街へ。湖はペリカンの生息地として有名で、湖畔で泳ぐ人たちも多い。われわれは、コソヴォで新鮮な魚が食べられない欲求からか今日も魚。湖でお勧めの魚と頼むと、うなぎのガーリックソテーが出てきた。

 「これ鰻じゃない?、これ、日本では高いよ」
 「ベルギーでもよく食べられるけど稀少だから高い、ニュージーランドあたりから輸入しているよ。値段が心配だね。」

 食事を済ませて山道をコソヴォにむかって走る。
 牛や羊やヤギがのんびりとすごしている。野生の山羊も山肌を走っている。
 フランクは快調に飛ばす。

 国境で車の列。その脇を牛が飼い主もなく、悠々自適に国境を越えていく。
 あれはどっちの牛だろう。アルバニアへ帰る牛か、コソヴォから出て休暇にでかける牛か。
 
 珍道中でした。次回は、ボスニア・ヘルツェゴビナ、かもしれない。
 

Abstract-36; Public Transport Meeting

7/10 アイダ不調
 慢性頭痛に悩まされていたアイダが不調で休み。カタコトのアルバニア語でムスタファと公共交通ミーティング(モビリティセンター)のプレゼンテーション、アジェンダの作成に追われる。アジェンダは英語で作成し、本部でアルバニア語に翻訳してもらう。その後内容をムスタファと再調整する。
 パワーポイント資料もなるべく皆がわかるように同時翻訳をつける。

7/11 コソヴォ地域計画の最終会議
 プリシュティナ、グランドホテルにてコソヴォ最終会議が開催されるものの、時間がないので参加できず。アイダは出かけたが、私はモビリティセンターミーティングのプレゼン資料作成に追われる。
 プレゼン資料には、HABITATが主体として行う部分、自治体にイニシアティブを取ってもらう必要のある部分など、政治的にさまざまな配慮が求められる。
 
 モビリティセンターアクションプロジェクトについては急ピッチでミーティングが進む。夏季休暇に入る前にある程度の方向性を固めてしまいたい。

7/12 モビリティセンター 意思決定ミーティング
 今回のハイレベルミーティングは、アクションプロジェクトについて市長・CEO、交通・コミュニケーション省代表、コソヴォ鉄道代表で、政治的に方向性を決めたいという意図があった。
 しかし、関係ディレクターも参加すべきだというのがムスタファの主張。間を取ってなんとか人数を調整する。
 市長は参加できず、フランクは遅刻、。
 モビリティセンターの提案とこの検討継続の必要性について議論をする。
 議論はまとまりがないが、コソヴォ鉄道、コンサルを含め概ねプロジェクトに賛同する。
 しかし政策決定できる市長がいない。
 CEOは、市外部に物資輸送用の駅機能を移転する案を主張。ムスタファは反対。
 とにかく、検討を続けることにする。

 政治的決断が必要であるが、今回のミーティングではそこにいたらず。作戦を見直す。

7/13 チームミーティング
 来週開催される、6自治体の市長・CEOを招待した「Programme development meeting」のための打ち合わせを行う。平たくいえば、自治体の計画策定を行う組織体制、プランニングユニットの設置状況について議論を行う会議である。
 最大の問題はプランニングユニットの設置、プランニングを専門で行うスタッフの確保が急がれている、過去のプログラムでプランニングユニットは各自治体に設置されているはずであるが、実態は、建設許可との掛け持ちで、実際にはプランニングに手が回らない自治体が多い。
 フェリザイ市においても、ムスタファが一人専任でプランニングにかかわっているが、その他の職員はほとんど直接的に関わっていない。
 過去のプログラムの視点は、都市部局(建設許可担当部局)のなかにプランニングユニットを設置するものである。これは自治体の財政上の問題を踏まえたものと推察されるが、中途半端で、結局プランニングユニットが機能しない結果に陥っている。
 
 「都市部局内にプランニングユニットを置くのもわかるが、新たにプランニング部局を設置する提案をすべきではないか。既存部局に新たなユニットを置くことは書面上簡単であるが、実際には専任職員が確保されないあいまいな状況に陥っている。新たな部局、これは各部局から人を移動させるのか、新たな雇用が必要かは別の問題として、プランニングには専任の職員が必要であるのだから、それを明言すべきではないか。自治体プランニングチーム(MPT)は特別委員会であり、そこでの議論の素地を作るのは専任のプランニング職員がいないとできないことだ。」と提案。

 会議ではプランニング部門について提案することになる。組織構成イメージの作成を頼まれる。

Abstract-35; Kosovo Railways and Ministry of Transport

7/5  中央政府レベルミーティング
 フェリザイ市の特徴の1つとして、シティセンターに鉄道駅・バスセンターが立地することがあげられる。担当6自治体のなかで駅があるのがペーヤ、プリズレン、フェリザイであるが、現在も電車が運行されているのはフェリザイ路線(スコピエ行き)のみである。
 現在、マスタープラン(MDP/UDP)の策定過程であるが、このプランが市の都市計画の規範となり、実効性あるものであると市民が認識できる、わかりやすい成果が求められている。フェリザイチームではアクションプロジェクトとして、フェリザイ鉄道駅とバスセンターの連携によるモビリティセンター整備の検討をはじめている。実は、フェリザイ市CEOは駅を市外移転の考えを持っている。
 スーパーバイザーのフランク、交通の専門家グンナー、アイダと私がHABITATの推進チームとなる。前回のミーティングでは自治体で議論を行ったが、広域的視点、事業主との議論が必要であることから、交通・コミュニケーション省とこコソヴォ鉄道ディレクターとのハイレベルミーティングをセッティングした。

 午前中は交通・コミュニケーション省との会議。グンナーによる、スウェーデンの事例を用いたモビリティセンター概念の解説がなされる。担当者はモビリティセンターのアイデアに合意。基本的に自治体が主体で行うことについては支援する姿勢。ただし、どの自治体も法に基づいた交通戦略、政策を策定していないことを指摘し、交通政策にも尽力してほしいとコメントした。

 午後はコソヴォ鉄道ディレクターと会談。フシュ・コソヴォ-プリシュティナ-フェリザイを通る路線はEU政策のなかでも主要な路線の一つに位置づけられている。コソヴォ地域外への鉄道網として非常に重要であるが、駅整備となると簡単ではない。世界銀行や各国に鉄道整備への資金投資をもちかけているが、話に乗ってくる企業がいない。
 コソボ地域計画(案)ではいくつかの新規路線が描かれているが、コソヴォ鉄道は民営化されたため(中央政府から資金投入されているが)、利益のあがらない新たな路線整備の考えはないことを強調(当然であるが)。中央政府のプランニング機関(Planning Institute)が提案するフェリザイ-ジラン間の路線などありえないとのこと。同感である、。
 
 フェリザイのモビリティセンターアクションプロジェクトについては、もちろん賛成であるし、自治体とパートナーシップをとりながら進めたいとのコメント。特に駅線路沿いにコソヴォ鉄道所有土地があるので、その活用も含めて検討することになる。
 しかしついてまわるのは予算問題。
 線路整備、ケーブル、信号などが日々切断されて盗難される。メートル単位で盗まれてしまうのでその修繕だけで手一杯の状況らしい。誰が盗むのか??何のために??
 この国には、「公共」という概念が根付いていない。社会主義ではすべてのものが皆のものだったからか、崩壊後は公共物すべてが混沌の中私物化されるプロセスにある。だからといって鉄道のケーブルを盗むとは、。
 鉄道がセルビアのものであるという視点から、民族感情で発生する問題かもしれないとの意見もある。
 
 「車両にさ、{盗らないで!僕らはあなたがたのものですって書いてはどうかな?」
 フランクと二人で、提案。

 ともあれ、アクションプロジェクトが進められることになる。至急フェリザイ市で意思決定会議を設定することに決める。

7/6 チームミーティング
 定例、HABITATプリシュティナで状況報告と議論。プリズレンとミトロビッツァは相変わらず動きが鈍く苦戦している。
 各自治体のアクションプロジェクトについて、議論が交わされる。市内公共交通整備、農用地保全政策、不法居住対策(informal settlements)、歴史的市街地保全などが主な視点である。
 
7/7 OSCEとミーティング
 来週に行う、モビリティセンターミーティングの日程調整に追われる。午後はフェリザイのOSCE(欧州安全保障・協力機構)スタッフとミーティングを行う。
 彼らの活動とHABITATの活動連携を図るためにアポをとる。現在担当者2名がフェリザイに常住している。OSCEの役割は、 自治政府による活動が公正に行われているかモニタリングするのが役目である、特に人権問題が焦点となる。
 たとえば、UNMIKによりすべてのドキュメントは3ヶ国語に翻訳されなければならないが、アルバニア語でのみ掲示されている場合、セルビア語・英語を添付するように支持したり、様々な会議ですべての人の人権(特に少数民族、セルビア系市民、ロマなど)が侵害されていないかモニタリングして報告する仕事となる。
 特に問題となっているのは、土地建物所有問題である。登記資料の最新版が紛争により失われてしまったため、土地建物の所有権が不明なものに対して、事実関係を明らかにすることが極めて難しい。
 極論を言えば、登記する土地の隣に住んでいた人が、登記に来た人のことを「確かに彼はここに住んでいた」と証言すれば、担当が書類を作成しはじめる、ということもある。それがセルビア系市民の所有権がないか、慎重に取り扱うことを指示しているとのことであった。

 このため、彼らは少数民族とのミーティングを常時開催している。我々のプランニングにおいても、すべての人に平等の発言の権利が用意されなければならない。少数民族の意見聴取などで連携を図ることに合意する。彼らもプランニングプロセスへのモニタリングを希望している。

7/8  休日
 都市計画学会に依頼されていたコソヴォ特派員便りを書く。
 夕方に国際スタッフのエリックと奥さんのフローが遊びにくる。奥さんのフローはベルギーの美術館でキュレーターをしていたが、エリックについてコソヴォへ来る。様々なコネクションをつくり、博物館学の仕事ができる場所を探しているが、失業率5割を超すなか、適当な仕事がみつからないので苦戦している。
 エリックが我が家のパソコンにGIS導入を図るも、いまいちうまくいかない。
 散々ビールを飲んで、ピザを食べて過ごす。

7/9 ワールドカップ決勝
 家事をして過ごす。夕方からUNMIKのイタリア人の友達とイタリア料理屋で、W杯決勝の観戦。大きな屋外スクリーンにイタリア・フランスのファン(ほぼ国連関係職員とみられる)。
 ピザとビールが飛び交う。
 UNDPの仲間にも同じ場所で出会う、さながらお祭りムード。
 個人的にはジダンの活躍が見たいものの、イタリアサポートしないとね。
 飲んで唄って跳ねて、騒がしい一日だった。
 試合はさすがに決勝、ひとつのミスが大きく展開を変える。頂点を争うというのは、そういうことなんでしょうね。
 ゴールにはならなかったものの、後半の右クロスからのジダンのヘディングシュート、秀逸でした。
 そして、頭突きによる退場、衝撃の幕切れで英雄が去った。

Abstract-34; Japanese Society

7/3 Social Science SWOT分析(続き)
 主要分野を4区分したワーキンググループにより、基礎分析を行っているが、その分類方法に少々疑問を感じる。すでに私が到着したときには用意されていた6自治体共通の枠組みのようであるが、この社会科学分野に関しては取り扱うテーマが多い。4分類は、社会科学、自然、産業経済、インフラにわかれるが、社会科学分野の扱う内容は、人口問題/社会福祉/教育/失業率/文化スポーツ/歴史的資産と多岐にわたる。市民生活の基礎的課題を取り扱うことになるが、失業率はコソヴォ全体で5割を超える状況、教育は生徒への教科書配布が十分にままならない、社会福祉については低所得者層に45ユーロ/月の生活保護が支払われているが十分な額になっていない。自治体の予算についても、その内訳を見ると中央政府からの資金やドナーからの資金などに大きく頼っている。
 課題山積(どの分野もであるが)のなかで、金曜日結論が出せなかったようである。
 大きな問題は、後ろ盾となる財政バックアップのないなかで、如何に汗をかいてカバーできるかというところである。
 自治体職員がさまざまな議論を始めていることは、多少の前進ではある。しかし、個々にある課題について、限られた状況のなかで解決方法を見出すための努力は、まだ十分になされていない。
 さて、課題山積のなか、現実的なプランを構築しなければならない。
 放置すると、さまざまなことが非常に速いスピードで悪い方向へ向かっていく。不法投棄しかり、違法建築然り。農用地など、目に見えて環境が悪化している。 
 中央政府レベルでの政策と、地方自治体レベルの政策が並行して進められているので、事実上、自治体主導でものを決めていかなければならない。
 若くて機動力の高い人材がほしいが、ムスタファがいるだけでも奇跡的なことかもしれない。影響力のあるCEOが機動力があり、我々の話に耳を傾けてくれることも励みである。

7/4 コソヴォの日本人コミュニティ
 前に書いたかもしれないが、UNMIKで仕事をされているハラダさんから連絡を頂いた。HABITATのエリザベットが彼にあった時に、「今うちでも日本人のプランナーがいる」と紹介してくれたらしい。現在コソヴォにもっとも長く在住されていて、国連職員としてのキャリアも相当長い方である。
 「現在数人の日本人がいるので、一度集まりましょう」とのこと。
 19;30集合、お店の場所が正確にわからない人は、19;25にOSCEビルの前に集合。5分前集合で移動、そういう日本人の細かさに久々に触れた気がした。こちらでは、15分刻みでの時間指定がもっとも細かい。25分という時間指定は、まずありえない。
 それはともかく、コソヴォで働く計6名の日本の方に会うことができた。
 男性3名、女性3名、皆さん歴戦の方ですね。
 
ハラダさん;
 ロンドンでMA取得後、国連ジュネーブへ。東ティモール現地にいた経験があり、現地で働いているときに、暴動の影響により自宅が延焼、パスポートも何もかもなくなり帰国した経験あり、すごいですね、。またジュネーブに戻った後各国ドナーを募りプロジェクトを立ち上げる日々。フィールドワークに戻りたくなり、コソヴォへ。日本に帰ることがほとんどない浦島太郎生活とか。
ハスミさん;
 UNMIK Return and Community Officer。リピアン地方自治体で少数民族対応などを行っているとか。
アカシさん;
 ロンドンで10年?外資系企業に勤務されていた経験あり。UNMIKのFinance勤務で今回初の国連勤務。
テルイさん;
 国連NYからコソヴォへ。UNDP,UNVのチーフオフィサー。その前はシリアにいた経験あり。
イデミツさん;中東からあちらこちら回っている方。現在、OSCEのオフィサーとしてミトロビッツァで勤務、居住している。


 皆さん、海外生活の長い方ばかりですね。聞いてみたい話がたくさんありそうです。

 コソヴォの現状と今後、生活状況など、興味深いお話聞かせていただきました。定期的に飲みましょうとのことで、解散。バルカン料理(ラム)も美味しかったです。
 
 次回は幹事で自宅開催とのことなので、案内図を作成した。ついでに、HABITATのクリスティーナも正確な場所がわかる地図がほしいといっていたので、送ることにする。

Monday, July 03, 2006

Abstract-33; Bulgaria-Sofia

7/1  ソフィア市街
 国際スタッフのなかでも、ブルガリア・ソフィア市の評判は良い。UNバスによる週末ソフィアツアーに参加した仲間によれば「コソボやマケドニアと同じ旧社会主義国と比べると、とにかく道路や公共交通のネットワークと管理が行き届いている。食べ物が美味しい。」とのこと。
 ドミトリーに宿泊して朝食を食べる。朝から市街散策にでかける。
 6-7世紀に移住してきたアジア系原ブルガリア人とスラブ民族が融合したのがブルガリア民族の起源のようである。ブルガリア王国の首都であり、バルカン半島の中央に位置するソフィア。バルカン諸国同様にオスマントルコの影響も受けている。
 街は想像以上に市街化しており、かつ整然としている。街にはトラムが走っており、昔ながらの石による道路の舗装。車はあまりスピードを出すことができない、というのが中心市街地のイメージである。
 オスマントルコの影響も色濃く受けており、食べ物(チェバブ)やモスク、歴史的民族衣装などはこれに含まれる。しかし、バスを降りて、街を歩いてギリシャ正教の壮麗な教会を眺めていると、ロシアをはじめとする東側諸国が持つ空気を色濃く感じる。
 マケドニアに続き非常に貧しい国であるブルガリア。失業率も高く、労働賃金も安い。翻っていえば外国から訪れる者にとっては物価が安い。
 2007年にはEU加盟が決まり、現在、物価が上昇傾向にある。バルカン半島のなかでは日本人観光客も多いとのこと、琴欧州効果か。
 中心部にある公園はよく管理されている。コンクリートが多く、無機質な空間も多いが、街を歩く人の表情は明るい。
 夕食にブルガリア料理を食べる。焼き鳥?サラダ、肉を壷で煮込んだシチューらしきもの。確かに美味しい。

7/2 帰途
 スコピエで購入した往復バスチケットが使えるのは、早朝7時の便になる。9時台に出る別会社のバスでもかまわないが、チケットがもったいないので早朝帰ることにする。
 ソフィアのバスステーションでミニバスを待つ。同じバスに大きなトランクを持った若者が多数乗り込む。 これに続いてバスに乗り込もうとすると、運転手が「チェックインしてきてくれ」、らしきことをブルガリア語でしきりに言う。よくあることであるが、英語は通じない。突然後ろから「日本の方ですか?」と片言の日本語で話しかけてくる女性。どうやらルーマニアの大学生のグループで彼女は日本語を専攻しているらしい。
 無事にチェックインを済ませてバスに乗り込む。学生達は夏休みで帰省するところ、マケドニアやアルバニアに帰るようである。
 帰途は満員のバスに大量の荷物が災いして、とにかくゆれる。何度も腰が宙に浮く感覚を味わいながらマケドニアのスコピエに到着する。
 電車に乗り換えて帰る予定であったが、プリシュティナ行きのバスがすぐに出る様子なので、バスで帰る。 プリシュティナには14時着。

Abstract-32; Four Thematic Workshop

6/26 GISトレーニング
 UN-HABITATプリシュティナオフィスにて、自治体職員に対するGISトレーニングが実施される。GISについて知識のある方なら想像がつくと思うが、全くの素人に1日で教えることができる内容は限られている。GISとは何か?利用することによりどのようなメリットがあるのか、利用する場面、計画策定の際の使用例等々。実際に使いこなせるようになるには、ある程度まとまった期間のトレーニングを受けるか、もしくは実務で必要に迫られてスキルを身につけるしかない。
 少なくともGISの存在と利用価値をまず伝えるのが目的のトレーニングである。ふれる機会があることだけでも重要であると思われる。
 
 プリシュティナオフィスで交通専門家のグンナー、スーパーバイザーのフランクとフェリザイの交通特別部会の進め方について議論をする。2週間後に会議を設定し、中央政府の交通・コミュニケーション省、コソボ鉄道、バス会社のディレクター、KTA(Kosovo Trust Agency)、NGO、市交通担当、都市計画担当、都市計画コンサル等々を招集する方向を提案する。
 市長・CEOとの意思疎通、NGOとの関わり、中心市街地にプリシュティナとスコピエと繋ぐ鉄道駅があることなどを総合して考え、フェリザイ市を公共交通プロジェクトのモデル都市として取り上げる方向で検討を進めることにする。   
 具体のアクションプロジェクトを立ち上げるには、広域公共交通について、上位の政策決定や政治判断が必要になるので、フランクに交通・コミュニケーション省とコソボ鉄道の意志決定ができる人物との事前ミーティング設定を依頼。中央政府レベルでの議論を先に行った後に、フェリザイでの議論を進めることにする。

6/27 テーマ別検討会SWOT分析(経済・産業グループ)
 テーマ別検討部会がやっと具体的に動き始める。朝9時から会議が始まるものの、都市計画コンサルの役割について議論となる。今回からINTECHのプランナーであるドリトンが参加する。自治体職員は自治体でのSWOT分析のみならず、コンサルも提案すべきだと主張する。コンサルは、自治体の意見をもらって検討したいと主張。また、こうした検討会にほかの自治体では参加していないので参加は負担が大きいと答える。
 こうした議論が1時間半、議論が始まる前に既にエネルギーを消費する。とりあえず休憩、コーヒーを飲みにでる。
 SWOT分析については、同席して検討するのが良いだろうというところで落ち着く。
 休憩の後、議論再開する。実は、全員、こうして集まって議論をして物事を決めていく経験ははじめてである。今までは、会議をして、意見を出し合って物事を決めるということをしていないということであるが、議論を始めるとなかなか皆雄弁である。一人が前で論点をまとめる。
 自治体職員の数名はこうしたワークショップのトレーニングを事前に受けている。その成果が現れていると肌で感じる。
 経済・産業について、農業土地利用の推進(現在KTAが土地を接収していて使えない土地がある)や工業地域の再生など、様々な意見が出される。ビジネスコミュニティとの連携の必要性、フェリザイには煉瓦の素材となる土の採掘場が多くあるが、加工する産業が発達していない、産業振興としてなにか考えられないか、等々。
 議論は、昼ご飯を食べずに4時まで続く。スタッフが議論を続けている。

 お腹は空いたが、嬉しい悲鳴である。

6/28 テーマ別検討会SWOT分析(自然・環境グループ)
 前回のコンサル役割論の議論は必要ないので、早々に議論を始める。 旧法で指定されている自然保全地域の妥当性、今後指定すべきエリアについて。住環境、郊外の田園風景の保全、不法投棄による環境や景観への影響、採掘場と自然保全との関係、等々。
 積極的に議論が進められる。おおむねの議論の流れ、指摘が不足している部分について補足と質問をする。

 15:30からジラン担当のエリック、公共交通専門家のグンナーが現地調査をかねてフェリザイに来る。自治体スタッフのムスタファとローカルスタッフのアイダと私でフェリザイの都市交通の状況について現地を歩きながら考える。特に線路と道路の交差部分のアンダーパスの可能性やバスセンターと鉄道駅との連携によるモビリティセンターの可能性についてアイデアを話しながら歩く。

 17:30にHABITAT設備担当のアダムが、新しいパソコンをフェリザイオフィスに運んでくる。
 やっと最新の設備が整う。

6/29 スタッフミーティング(公共交通)
 HABITATプリシュティナでミーティング。今回はグンナーによる公共交通に関するプレゼンテーション。彼は世界中で様々な交通インフラ整備に関わってきた経緯を持つ。
 今回は母国スウェーデンの都市交通を中心にプレゼンが行われる。
 一つは環状道路の整備について。各都市には2~3重の環状道路が整備されていること、インナーシティの道路パターンはある程度グリッドを形成しており、交通のフレキシビリティを確保しつつ、交通規制を行っている。
 公共交通システムについていえば、トラムやバスのネットワークが形成されており、自動車用レーンが優先されていない。歩行者用、自転車用通路も十分に整備されている。
 
 コソボにおけるバスステーションは民営化が進められている。そのためバスのルートも路線も時間も自治体がコントロールできない。通常、こうした公共交通機関については公的助成があり、たとえ民間が運営していても公共がコントロールすべきである。
 バスステーションも中心市街地には邪魔である、との発想で都市郊外部に移転することが考えられている。これは旧社会主義国の典型的な都市計画である。
 我々は、公共交通機関の核を中心市街地に整備し、その連携を図ることで人を呼び込む、経済活動を活発にする契機とするとともに、公共交通機関の利用によるプライベートカーの中心市街地への乗り入れを減らすことを考えている。常識的発想であると思うが、理解を得るには時間が必要である。公共交通への投資が困難であること、現在なんとかなっていることを将来にむけて改善する意欲、長期的視野をもてない現状がある。
 省スペースでの鉄道駅、バスターミナルの連携例など様々な議論を行う。


6/30 テーマ別検討会SWOT分析(公共交通グループ)
 社会科学グループの取り扱う分野は非常に幅広い。人口問題、住宅、失業、保健、教育、文化とスポーツ。将来人口の考え方、住宅環境、教育について特に集中した議論が進められる。 議論が多岐に渡り、会議は朝から夕方まで昼ご飯を食べるまもなく会議が続けられる。
 何度かの休憩をとっているが、お昼の時間を提案すると人が戻ってこない気がする。特に問題なく自治体スタッフが議論を進められるならば、見守ることにする。
 
 アイダに会議を任せ、今日は早々に切り上げて、フェリザイ駅から電車に乗ってスコピエへ。電車は冷房がなく、あまりにも天気が良くて暑い。
 14時頃電車に乗る。スコピエには16時到着。スコピエ駅はバスターミナルと連携しており、すぐ隣のターミナルでソフィア行きのバスに乗り換える。16時半発。
 あまりに小さいバスなので本当にソフィアに行くのか不安になる。あまり英語が通じない。
 ブルガリアのソフィアとの時差は1時間。到着したのが10時前で約5時間のバスの旅。

Abstract-31; like a housekeeper

6/24 シャムスの計画
 金曜日午後から長距離バスでアルバニアに旅行する予定でいたシャムス。しかし、結局ビザが必要であることがわかり旅行を中止する。結構ショックだったようで、そのままジャコバに帰らないで、、オフィスでGIS(地理情報システム)専門のローカルスタッフに誘われるままインド料理のお店へ行ったらしい。
 我が家にもう一泊するつもりだったらしいが、電話がつながらなかったとのこと。結局ほかの友人のところに泊まる。土曜日朝に連絡があり事のいきさつを聞く。

 折角プリシュティナにいるので、帰る前にうちでご飯食べていっては?と誘う。
 二人で近くのマキシマートへ行き食料調達、ご飯を炊く。
 シャムスは穏やかな人であるが、それでもジャコバでの仕事に思うところが色々あるようである。プロジェクトの進捗について、自治体内部の連携について、HABITATの組織運営について、もろもろ議論するが、大半は我々の努力のみではとうてい解決できない問題である。もう少し楽観的になれればいいのだけど、とお互い苦笑い。

 お昼を食べて、シャムスを見送る。
 あとは特になんとなく、ワールドカップを見て過ごす週末。

6/25 なんということもなく
 主夫業。朝起きて洗濯、掃除。部屋が広いと掃除が大変だと感じる、贅沢な悩みかもしれないが。
 ご飯を作って、ブログを書いて、資料の整理。なんとなくテレビを見て、ご飯を作って、と、なんだかんだしているとあっという間に休日は過ぎる。