10/20 民間企業社長を訪問
今日は朝からバタバタしており、スウェーデン視察旅行の調整メールに追われていた。ムスタファが、「来週金曜日のビジネスコミュニティミーティングの前に、招待状を企業社長に配布するから、一緒にこないか?」と勧める。フェリザイ市にある企業の社長に会っておくのは、今後シティセンターへの投資を呼びかける上でも必要不可欠。事務作業を1時間で終わらせて同行するが、アイダは市長に渡すため旅行スケジュールを翻訳しているので不参加。
菓子メーカー、植物油、食料品、大規模小売店舗チェーン、重化学工業、ガソリンスタンド、鋳鉄工場などを回り、社長と話をする。40社前後の企業がフェリザイ市にあり、今日は7社を訪問した。
今回はご挨拶なので、あまり踏み込んだ話をしたわけではないが、少なくとも投資する資質のある企業が存在している。彼らと協同でフェリザイ市の改善を考える必要がある。双方にとって、利益のある方法で。
仕事は早々に切り上げて、週末旅行に出かける。プリシュティナ発のバスでサラエボに向かう。当初、シャムスも参加したいようであった。しかしビザを取得するのにスコピエにある大使館まで行かなければならず、早めにそれを伝えたものの結局参加をあきらめる。エリックは奥さんが妊娠中のため、今回は不参加。コベと二人旅となる。新しく来たオーストラリア出身のプランナー、ナタリーは、参加したいがまだコソヴォに着いたばかりなので今回は参加せず。
旅行には不安がある。ボスニアまでの行程、独立したモンテネグロを通り、一部セルビアに入ってボスニア・ヘルツェゴビナに入国する可能性がある。コソヴォからセルビアに入る場合、他の国を経由していなければならない。まだコソヴォとセルビアは同じ国なのに、国境があってスタンプが押されているのはおかしいとのセルビア側の主張があり、コソヴォからセルビアには入れない。セルビア側からコソヴォに出入りすることは可能であるが。
今回、独立したばかりのモンテネグロが「他の国」として認識されるかどうか。認識されない場合は、コベが過去に経験したように、真夜中、国境でバスを降りることになる。
色々心配したが、結局、セルビア側を通らずにボスニア・ヘルツェゴビナ入りしたようである。
10/21 ボスニア・ヘルツェゴビナ(モスタル滞在)
朝8時にサラエボ到着。街は霧で何も見えない。
そのまま南の歴史的都市、モスタルへとバスで出かける。所要時間3時間。モスタルのバス停に到着すると、宿を提供すると近寄る女性。普通の家の1室を借りて宿泊する。
モスタルの街を散策する。ボスニア紛争、民族浄化を目的とした争いが激しく展開された地。セルビア人(オーソドックス)、ボスニア人(イスラム教)、クロアチア人(カソリック)が互いに殺戮を繰り返した。ボスニア紛争では天文学的数字の弾丸が飛び交ったという。激戦地モスタルでは、バルカンの歴史的遺産のなかでも最も美しいとされる橋も戦禍に晒された。
現在、中心部の旧市場とモスタルの橋は見事に修復されており、訪れる多くの観光客が足をとめて美しい街並みを眺めていた。
翻っていうと、中心地域以外では、いまだ無数の弾痕が残る建物が放置されている。戦後10数年が経過し、街は活気をとりもどしているが、紛争が過去のものでないことを痛感させされる。HABITATがまだモスタルで活動している。コソヴォで担当スタッフに会ったが、連絡先を聞くのを忘れていてコンタクトを取れず。
夜も街中心部はライトアップされ、バーやカフェ、レストランが河畔の美しい景観を利用して営業している。活気がある。
コベと二人で、夕方から夜12時まで飲む。
10/22 サラエボ
朝8時、モスタル駅からサラエボに向かう電車に乗る。バルカンの習慣なのか、鉄道は1日2本しか運行しておらず、鉄道が重要視されていないと感じる。サラエボ-モスタル間はとても景色がよいが、電車の場合、ガラスが曇っているのと、トンネルが多いのであまり景色が楽しめない。
サラエボ郊外の村はとても美しい。コンパクトに市街地がまとまっており、不法投棄などが全くない。コソヴォとは比較にならない郊外の美しさ。コベ曰く、紛争直後はコソヴォ同様に不法投棄も多い状況だったが、いまはここまで美しくなったそうである。
サラエボに11時ごろ到着。都市は丘陵に囲まれており、緩やかな斜面にある住宅地が美しい。しかし紛争時はその地理的特徴を逆手に取られ、セルビア人が丘陵から市内の多くの人々を射殺した。旧両面からの見通しが良い通りはスナイパーアべニューと呼ばれ、多くの人が犠牲になった。モスタルほどではないが、やはり弾痕の残る建物は多い。国立図書館も焼き討ちにあい、貴重な資料が炎に消えた。8/26日と、その日が刻まれていた。
中心部から離れた地域に、白い墓標が延々と続く墓地がある。
市街地は、ハプスブルグ家の影響がありオーストリアスタイルの建物がある地域、オスマントルコの影響を受けたモスクやバザールのある地域と、表情豊かである。ユダヤ教の宗教施設もある。多民族国家らしい表情を見せる都市であるとともに、旧ユーゴ時代に整備されたのか、道路などの都市基盤が十分に整備されている。訪れる前に想像していたよりも、魅力のある都市である。
写真の橋は、オーストリア皇太子がセルビア人青年に暗殺された場所。第一次世界大戦発端の地。
今日1泊する予定であったが、夜10時にサラエボからプリシュティナへの直行便があることを知る。ノビパサールというセルビアの都市を経由するルートであるが、ボスニアから入国しコソヴォに入るには問題がない。しかしバスの目的地はノビパサールでそこまでしかチケットが買えない。これは、セルビアに入る際に、コソヴォへ行くことがわかると問題になることを避けるためだろう。
初めてセルビアに入る。特に問題なく、セルビアの国境を通過し、ノビパサールを経てプリシュティナへ。
10/23 ラマダン最終日
プリシュティナバスステーションに朝9時到着。
今日はラマダンの終わりの祝日なので、バスがほとんど運行されていない。コベはペーヤ市に帰りたいが、バスが12時過ぎまでないので、我が家で時間をつぶす。
ちなみに、コソヴォでは、敬虔なイスラム教の人は少ない。ラマダンでも平気で日中食事する人も多い。もちろん、ラマダンしている人もいるが少数のようである。
Friday, October 27, 2006
Abstract-49; Gjakove meeting
10/12 ジャコバ市でのミーティング
朝プリシュティナオフィスで通訳のフラマーと公共交通専門家のグンナーをのせる。車で1.5時間。ジャコバ市へ向かう。
プログラムを進めている6都市の1つであるジャコバ市。バングラデイッシュ出身、不法居住改善事業等を得意とするシャムスが国際プランナーとして担当している都市である。ジャコバ市はコソヴォのなかでも最も特徴的な地域であり、閉鎖的・排他的発想の人が多い。皮肉を込めて、ジャコバ共和国といわれることもある。コソヴォが独立したら次はジャコバが独立するのではと揶揄されるほどである。
コソヴォでは、このジャコバ市出身者が、さまざまな要職に就いている。たとえば環境・地域空間計画大臣もジャコバ出身。HABITATのローカルスタッフにも多い、アイダはジャコバ出身。自尊心が高いアルバニアの人々の中でも、最も顕著な人々だといわれている。
旧社会主義国では、というべきか、最も重要なことは、どれだけコネクションをもっているか、ということにある。ジャコバの人々は、ジャコバの人の採用を勧める。
ジャコバ市の都市部局の部長である女性は典型例である。それぞれの自治体に国際プランナー1名、ローカルプランナー1名の計2名でプロジェクトを推進しており(もうすぐ通訳兼アシスタントが1名追加される)、ジャコバ市のローカルスタッフは、ラモシュという男性。スワリカ村出身で地元の都市部局部長の経験がある。とても明るくコミュニケーションがとりやすいナイスガイ。ただ、英語があまり話せない。シャムスは彼の英語が充分でないために充分な情報が得られない。
さらに彼はジャコバ出身ではない。ジャコバの都市部局部長は、ジャコバ出身者が担当になると思っていたようで、彼を見るなり「何故ここにいるの?」と、とりあわなかった。
彼女はラモシュが不適任であると、追加スタッフを要求。特別措置でHABITATが新聞公募して、数名の候補者を選び提案すると一蹴。「どれもダメ。ジャコバ出身者じゃない」。
プランニングについても迷走している。新法制定前のプランであるジェネラルアーバンプランをいまだに重要視しており、新たに策定中の自治体ディベロップメントプラン、アーバンディベロップメントプランには全く興味を示していない。HABITATとコンサルに任せる、という姿勢である。そのコンサルがINTECHというくせもので、フェリザイ・ジラン・ジャコバとプログラムをすすめている3自治体のプランを策定している。その内容が、ほとんど同じ非常に低質なプラン。コンサルは人材も充分に確保しておらずスタッフがオーバーワークしている。これで自治体職員が適切な指示や注文をださなければ、適当なプランを作り逃げされる。
都市部局部長は、全体のマスタープランには興味を示さないが、特定地域の住宅開発計画策定にご執心である。今回はその「よく計画された住宅団地」のプロポーザルが紹介された。そのプランを「レギュラトリープラン(地区詳細計画)」と呼んでいる。しかしこれは、開発計画そのもので、都市計画規制ではない。ジャコバ市では経済雇用の吸引力がなく、多くの人が家を離れてプリシュティナ市に住んでいる。つまり、住宅の空家率が極めて高いなか住宅を、民間企業やドナー(国際経済支援)により建設しようという。計画は一見美しく見えるものの、土地が充分ある地域での中高層住宅開発、河川環境への配慮なし、鉄道駅整備の予定地も考慮されていない。開発予定地はとても美しい緩やかな丘陵地帯。計画を再考すべきだろう。
また、ドナー会議を開いて、各国の国際経済支援団体を呼んで資金提供者を募る計画である。自助努力で、できることから始める気がない。それでも、彼らはコネクションの力を持っている。UNDPのミレニアムゴールプロジェクトがジャコバで展開されているし、ハリウッドのニコールキッドマンが女性NGO団体を訪問するのもジャコバ。
不思議な、地域である。
10/13 パンフット作成開始
モビリティセンタープロジェクトのパンフレットを作り始める。現在、すべての人が鉄道とその軌道が都市にとって邪魔なものであると考えている。各国へのポータルとなっている鉄道駅やバスステーションの経済効果、公共交通・輸送促進による環境負荷の低減など、市民にある程度理解してもらうための手段が必要である。そのため、パンフレットを作成して配布することにした。市民がある程度、公共交通とはどのような効果があるのか、という理解をもった段階で、シティセンターで商売を営む者や居住者に公共交通に関するアンケート調査を行う。
パンフレットは手に取った人が興味をもつようにわかりやすく簡潔にするとともに、フェリザイらしさ、公共交通の意図が伝わるように適当にデザインすることにする。
10/14-15 良質な違法コピーの選別 休日はDVD
コソヴォでは、何にしても偽物が堂々と出回っている。 だから、本物が買えるなんて思わない方がいい。 衣類、時計、靴、CD、DVD、お酒、なんでも模倣品あり。
街には至る所にCD,DVDショップがある。価格相場はCDが1枚1.5ユーロ。mp3コレクションといって、大量のCDが1枚のCDにこぴーされている代物が2ユーロ。DVDが1.5~3ユーロ。1ユーロは150円。
DVDなどお店でチェックしていると、店員が言う言葉
「それは良質なコピーだから大丈夫だよ」
更に知識のないお店の人は、明らかにコピー商品なのに
「それはオリジナルだから絶対OK」
いや、オリジナルのDVDの表面、インクジェットで文字入っていませんよ、。 最近、娯楽のないコソヴォでの楽しみとしてDVDコレクションをはじめた。いろいろ集めるうちに、なんと良質な違法DVDを集めるのが難しいか、ということを知った。 面白いのでご報告。 ちなみに、不具合のあったDVDはちゃんと交換してくれます。
僕が良質DVDと定義するものは、「英語で、英語の字幕表示が可能なDVD」。 購入時にすること~
1.パッケージと中身が同じかどうか?
特にシリーズ物(スターウオーズなど)は、中身が間違っている場合がある。
2.オリジナルDVDのコピーかどうか?
劇場上映中の作品まで売られている。これはDVDのコピーではなくて、劇場で誰かが盗撮したもの。画像は悪いし、画面がぶれたり、人が映っていたりする。
3.英語字幕が表示できるかどうか?
DVDの表面やパッケージに記載がある。記載なくても字幕がある場合もあるし、記載されていても、字幕がない場合もある。英語字幕がなくても、どうしても観たい映画は購入する。
4.試しに画面をチェックする
店舗にあるテレビで試写する。これ常識。はじめ試写せず購入したら、約1/3が問題ありだった。
5.英語字幕と話している英語が同じかどうか?
英語の作品なのに、字幕が話している英語と違うことがある。レイチャールズの映画RAY、の中国版を買った際、英語字幕出るからOKとお店でチェックしたにもかかわらず、家で見たら、なんかおかしい、、。話している英語と字幕が違う!(怒。しかも、レイを雷(ライ)と漢字あてしているようで、英語字幕ではレイ→Thunder(雷)と表示している。笑って映画に浸れない。
6.パソコンでも見られるか?
日本のDVDとコードが違うので持ち帰っても見られないと寂しい。だからパソコンで見られるかチェックする。 まれにDVDプレイヤーで見ることができてもパソコンでは見られないものがある。
7.DVDにウイルスが入っていないか?
あるお店のDVDにはたまにウイルスが入っている。悔しいことに、そこのお店にあるのは割とみたいものだったりする。一度はウイルス入りのを返却したが、僕のパソコンはウイルス対応してあるので、問題なく見ることができるからこれは諦めることにした(注意書きしておく必要あり)。
8.最後までみることができるか?
とにかく通しで見る。後半コピーが悪質で見られないことがある。 と、いかに厳しいチェックが必要か、。
10/16 セントラルヒーティング導入
先週末からセントラルヒーティングが動き始めた。地域の中心施設から各建物に温水が循環して部屋を暖めるシステムである。我が家は住宅団地にあるので、このシステムがあるが、プリシュティナでも住宅団地やオフィス以外はセントラルヒーティングがない。この場合は電気暖房に頼るか、暖炉やストーブで暖を取ることになる。街中では薪を割る人が多く見られる。機転の利く人は夏に薪を買う。価格が安いし薪が乾いていてよく燃えるからである。
プリシュティナからフェリザイへ車で通勤しているが、市内へはいったときに黒々とした煙があがっているのを発見する。火災だ。
冬季にはストーブなどから出火して火災が発生することがある。しかしほとんどの構造はレンガやコンクリートなので、燃え落ちることはない。今回の火災では家が隣接していたが、延焼はしなかった。
報道カメラマンでもないが、即現場に急行して撮影。参考資料にはなるだろう。周りには人だかり。のんきに握手して挨拶している人もいる。
しかし、紛争直後、アルバニア人によるリベンジで多くのセルビア人住居が焼き討ちされた。村全体が燃えている姿を想像すると、背筋が冷たくなった。
10/17 冬到来
まだ10月半ばというのに、朝出勤しようと駐車場に行くと、車が凍っていた。
窓ガラスが凍りつき、氷を溶かすのに一苦労する。これからどうなるのか?防寒対策をかんがえなければいけない時期だと痛感する。
10/18 スウェーデン視察旅行の調整
フェリザイチームとグンナーにより調整。スウェーデン、ルンド市より招待状をもらう。急遽提案により、コソヴォのテレビ局を帯同させることになる。ドキュメントを撮影し、コソヴォで放映したいとのこと。コソヴォ全域放送で、モビリティセンタープロジェクト推進のため、民間投資家の投資意欲を高めること、広く投資家を募ることの布石とする。放送は地方放送局にも配布され、フェリザイ市では何度も放映できるようである。ただし突然のアイデアなのでビザ取得などいろいろ手間取っているので、実現するかどうか。
グンナーはすべての行程の撮影は嫌だから、会議や現地見学のみに撮影を限定してくれと主張する。彼らしい。
私は折角なので、土日を利用して皆より先に現地入りする予定。そのまま延期滞在して11/17-27はスウェーデン、デンマークを中心として都市を回り、公共交通について現地踏査する。
訪問はスウェーデン南部のルンド市。公共交通と環境負荷、モビリティセンターや自転車政策、駐車場対策などについてミーティングがアレンジされている。
PRELIMINARY PROGRAM FOR THE VISIT TO THE MUNICIPALITY OF LUND, SWEDEN
Participants
Ferizaj Municipality
Mr.FAIK GRAINCA (Mayor)
Mr.DUKAGJIN ETEMI(CEO)
Mr.MUSTAFE ZARIQI(Department of Urbanization)
UN-HABITAT
Mr. GUNNAR LAGERQVIST (Transport Specialist)
Mr. MASAYUKI YOKOTA(International Spatial Planning Advisor)
Ms.AIDA DOBRUNA(Spatial Planning Advisor)
Media
journalist +cameraman
Schedule
20 Nov 2006
15:15-16:55 Pristina - Budapest
17:40-19:35 Budapest - Copenhagen
21 Nov 2006
- Presentation of Municipality of Lund and southwestern “Skane” region
- “LundaMaTs” – environment-adapted transport system in Lund
- The activities of the “Mobility Office”
- Planning of the bicycle network
- Mobility Center – background and development
- City Center parking policy
22 Nov 2006
- Public Transport in the Planning Process
- Lund City Bus – organization, planning and operation
- Skane Public Transport Authority – organization, planning and operation
- Cooperation Lund City Bus and Skane Public Transport Authority
- “LundaLink” – segregated bus route
23 Nov 2006
10:10-12:05 Copenhagen - Budapest
12:50-14:30 Budapest - Pristina
Note: “Skane” is the most southern province of Sweden
10/19 チームミーティング
地域計画研究所(中央政府直轄)のスタッフが、HABITAT援助により参加した地域ガバナンスの会議の報告を行った。コソヴォ外のプランナーと接する貴重な機会である。ロシア、アルバニア、オランダ、ベルギーなどから参加者が集まったようである。しかし残念ながら何を話し合って、結果として何を得てきたのか。基本的なことであるがそれがプレゼンに反映されていない。我慢強く彼らのプレゼンを聞く。これもトレーニングのひとつだろう。
文字のみ、内容なし、そして長いプレゼンに観光写真。
フランクが、発表を短くまとめるよう再三指導。最後は発表に感謝しつつコメント。「シャンパンにたとえるならば、とてもドライだけど味のあるプレゼン。後はスパークリングを加えて、豊かな味に仕上がることを期待する」だそうだ。
朝プリシュティナオフィスで通訳のフラマーと公共交通専門家のグンナーをのせる。車で1.5時間。ジャコバ市へ向かう。
プログラムを進めている6都市の1つであるジャコバ市。バングラデイッシュ出身、不法居住改善事業等を得意とするシャムスが国際プランナーとして担当している都市である。ジャコバ市はコソヴォのなかでも最も特徴的な地域であり、閉鎖的・排他的発想の人が多い。皮肉を込めて、ジャコバ共和国といわれることもある。コソヴォが独立したら次はジャコバが独立するのではと揶揄されるほどである。
コソヴォでは、このジャコバ市出身者が、さまざまな要職に就いている。たとえば環境・地域空間計画大臣もジャコバ出身。HABITATのローカルスタッフにも多い、アイダはジャコバ出身。自尊心が高いアルバニアの人々の中でも、最も顕著な人々だといわれている。
旧社会主義国では、というべきか、最も重要なことは、どれだけコネクションをもっているか、ということにある。ジャコバの人々は、ジャコバの人の採用を勧める。
ジャコバ市の都市部局の部長である女性は典型例である。それぞれの自治体に国際プランナー1名、ローカルプランナー1名の計2名でプロジェクトを推進しており(もうすぐ通訳兼アシスタントが1名追加される)、ジャコバ市のローカルスタッフは、ラモシュという男性。スワリカ村出身で地元の都市部局部長の経験がある。とても明るくコミュニケーションがとりやすいナイスガイ。ただ、英語があまり話せない。シャムスは彼の英語が充分でないために充分な情報が得られない。
さらに彼はジャコバ出身ではない。ジャコバの都市部局部長は、ジャコバ出身者が担当になると思っていたようで、彼を見るなり「何故ここにいるの?」と、とりあわなかった。
彼女はラモシュが不適任であると、追加スタッフを要求。特別措置でHABITATが新聞公募して、数名の候補者を選び提案すると一蹴。「どれもダメ。ジャコバ出身者じゃない」。
プランニングについても迷走している。新法制定前のプランであるジェネラルアーバンプランをいまだに重要視しており、新たに策定中の自治体ディベロップメントプラン、アーバンディベロップメントプランには全く興味を示していない。HABITATとコンサルに任せる、という姿勢である。そのコンサルがINTECHというくせもので、フェリザイ・ジラン・ジャコバとプログラムをすすめている3自治体のプランを策定している。その内容が、ほとんど同じ非常に低質なプラン。コンサルは人材も充分に確保しておらずスタッフがオーバーワークしている。これで自治体職員が適切な指示や注文をださなければ、適当なプランを作り逃げされる。
都市部局部長は、全体のマスタープランには興味を示さないが、特定地域の住宅開発計画策定にご執心である。今回はその「よく計画された住宅団地」のプロポーザルが紹介された。そのプランを「レギュラトリープラン(地区詳細計画)」と呼んでいる。しかしこれは、開発計画そのもので、都市計画規制ではない。ジャコバ市では経済雇用の吸引力がなく、多くの人が家を離れてプリシュティナ市に住んでいる。つまり、住宅の空家率が極めて高いなか住宅を、民間企業やドナー(国際経済支援)により建設しようという。計画は一見美しく見えるものの、土地が充分ある地域での中高層住宅開発、河川環境への配慮なし、鉄道駅整備の予定地も考慮されていない。開発予定地はとても美しい緩やかな丘陵地帯。計画を再考すべきだろう。
また、ドナー会議を開いて、各国の国際経済支援団体を呼んで資金提供者を募る計画である。自助努力で、できることから始める気がない。それでも、彼らはコネクションの力を持っている。UNDPのミレニアムゴールプロジェクトがジャコバで展開されているし、ハリウッドのニコールキッドマンが女性NGO団体を訪問するのもジャコバ。
不思議な、地域である。
10/13 パンフット作成開始
モビリティセンタープロジェクトのパンフレットを作り始める。現在、すべての人が鉄道とその軌道が都市にとって邪魔なものであると考えている。各国へのポータルとなっている鉄道駅やバスステーションの経済効果、公共交通・輸送促進による環境負荷の低減など、市民にある程度理解してもらうための手段が必要である。そのため、パンフレットを作成して配布することにした。市民がある程度、公共交通とはどのような効果があるのか、という理解をもった段階で、シティセンターで商売を営む者や居住者に公共交通に関するアンケート調査を行う。
パンフレットは手に取った人が興味をもつようにわかりやすく簡潔にするとともに、フェリザイらしさ、公共交通の意図が伝わるように適当にデザインすることにする。
10/14-15 良質な違法コピーの選別 休日はDVD
コソヴォでは、何にしても偽物が堂々と出回っている。 だから、本物が買えるなんて思わない方がいい。 衣類、時計、靴、CD、DVD、お酒、なんでも模倣品あり。
街には至る所にCD,DVDショップがある。価格相場はCDが1枚1.5ユーロ。mp3コレクションといって、大量のCDが1枚のCDにこぴーされている代物が2ユーロ。DVDが1.5~3ユーロ。1ユーロは150円。
DVDなどお店でチェックしていると、店員が言う言葉
「それは良質なコピーだから大丈夫だよ」
更に知識のないお店の人は、明らかにコピー商品なのに
「それはオリジナルだから絶対OK」
いや、オリジナルのDVDの表面、インクジェットで文字入っていませんよ、。 最近、娯楽のないコソヴォでの楽しみとしてDVDコレクションをはじめた。いろいろ集めるうちに、なんと良質な違法DVDを集めるのが難しいか、ということを知った。 面白いのでご報告。 ちなみに、不具合のあったDVDはちゃんと交換してくれます。
僕が良質DVDと定義するものは、「英語で、英語の字幕表示が可能なDVD」。 購入時にすること~
1.パッケージと中身が同じかどうか?
特にシリーズ物(スターウオーズなど)は、中身が間違っている場合がある。
2.オリジナルDVDのコピーかどうか?
劇場上映中の作品まで売られている。これはDVDのコピーではなくて、劇場で誰かが盗撮したもの。画像は悪いし、画面がぶれたり、人が映っていたりする。
3.英語字幕が表示できるかどうか?
DVDの表面やパッケージに記載がある。記載なくても字幕がある場合もあるし、記載されていても、字幕がない場合もある。英語字幕がなくても、どうしても観たい映画は購入する。
4.試しに画面をチェックする
店舗にあるテレビで試写する。これ常識。はじめ試写せず購入したら、約1/3が問題ありだった。
5.英語字幕と話している英語が同じかどうか?
英語の作品なのに、字幕が話している英語と違うことがある。レイチャールズの映画RAY、の中国版を買った際、英語字幕出るからOKとお店でチェックしたにもかかわらず、家で見たら、なんかおかしい、、。話している英語と字幕が違う!(怒。しかも、レイを雷(ライ)と漢字あてしているようで、英語字幕ではレイ→Thunder(雷)と表示している。笑って映画に浸れない。
6.パソコンでも見られるか?
日本のDVDとコードが違うので持ち帰っても見られないと寂しい。だからパソコンで見られるかチェックする。 まれにDVDプレイヤーで見ることができてもパソコンでは見られないものがある。
7.DVDにウイルスが入っていないか?
あるお店のDVDにはたまにウイルスが入っている。悔しいことに、そこのお店にあるのは割とみたいものだったりする。一度はウイルス入りのを返却したが、僕のパソコンはウイルス対応してあるので、問題なく見ることができるからこれは諦めることにした(注意書きしておく必要あり)。
8.最後までみることができるか?
とにかく通しで見る。後半コピーが悪質で見られないことがある。 と、いかに厳しいチェックが必要か、。
10/16 セントラルヒーティング導入
先週末からセントラルヒーティングが動き始めた。地域の中心施設から各建物に温水が循環して部屋を暖めるシステムである。我が家は住宅団地にあるので、このシステムがあるが、プリシュティナでも住宅団地やオフィス以外はセントラルヒーティングがない。この場合は電気暖房に頼るか、暖炉やストーブで暖を取ることになる。街中では薪を割る人が多く見られる。機転の利く人は夏に薪を買う。価格が安いし薪が乾いていてよく燃えるからである。
プリシュティナからフェリザイへ車で通勤しているが、市内へはいったときに黒々とした煙があがっているのを発見する。火災だ。
冬季にはストーブなどから出火して火災が発生することがある。しかしほとんどの構造はレンガやコンクリートなので、燃え落ちることはない。今回の火災では家が隣接していたが、延焼はしなかった。
報道カメラマンでもないが、即現場に急行して撮影。参考資料にはなるだろう。周りには人だかり。のんきに握手して挨拶している人もいる。
しかし、紛争直後、アルバニア人によるリベンジで多くのセルビア人住居が焼き討ちされた。村全体が燃えている姿を想像すると、背筋が冷たくなった。
10/17 冬到来
まだ10月半ばというのに、朝出勤しようと駐車場に行くと、車が凍っていた。
窓ガラスが凍りつき、氷を溶かすのに一苦労する。これからどうなるのか?防寒対策をかんがえなければいけない時期だと痛感する。
10/18 スウェーデン視察旅行の調整
フェリザイチームとグンナーにより調整。スウェーデン、ルンド市より招待状をもらう。急遽提案により、コソヴォのテレビ局を帯同させることになる。ドキュメントを撮影し、コソヴォで放映したいとのこと。コソヴォ全域放送で、モビリティセンタープロジェクト推進のため、民間投資家の投資意欲を高めること、広く投資家を募ることの布石とする。放送は地方放送局にも配布され、フェリザイ市では何度も放映できるようである。ただし突然のアイデアなのでビザ取得などいろいろ手間取っているので、実現するかどうか。
グンナーはすべての行程の撮影は嫌だから、会議や現地見学のみに撮影を限定してくれと主張する。彼らしい。
私は折角なので、土日を利用して皆より先に現地入りする予定。そのまま延期滞在して11/17-27はスウェーデン、デンマークを中心として都市を回り、公共交通について現地踏査する。
訪問はスウェーデン南部のルンド市。公共交通と環境負荷、モビリティセンターや自転車政策、駐車場対策などについてミーティングがアレンジされている。
PRELIMINARY PROGRAM FOR THE VISIT TO THE MUNICIPALITY OF LUND, SWEDEN
Participants
Ferizaj Municipality
Mr.FAIK GRAINCA (Mayor)
Mr.DUKAGJIN ETEMI(CEO)
Mr.MUSTAFE ZARIQI(Department of Urbanization)
UN-HABITAT
Mr. GUNNAR LAGERQVIST (Transport Specialist)
Mr. MASAYUKI YOKOTA(International Spatial Planning Advisor)
Ms.AIDA DOBRUNA(Spatial Planning Advisor)
Media
journalist +cameraman
Schedule
20 Nov 2006
15:15-16:55 Pristina - Budapest
17:40-19:35 Budapest - Copenhagen
21 Nov 2006
- Presentation of Municipality of Lund and southwestern “Skane” region
- “LundaMaTs” – environment-adapted transport system in Lund
- The activities of the “Mobility Office”
- Planning of the bicycle network
- Mobility Center – background and development
- City Center parking policy
22 Nov 2006
- Public Transport in the Planning Process
- Lund City Bus – organization, planning and operation
- Skane Public Transport Authority – organization, planning and operation
- Cooperation Lund City Bus and Skane Public Transport Authority
- “LundaLink” – segregated bus route
23 Nov 2006
10:10-12:05 Copenhagen - Budapest
12:50-14:30 Budapest - Pristina
Note: “Skane” is the most southern province of Sweden
10/19 チームミーティング
地域計画研究所(中央政府直轄)のスタッフが、HABITAT援助により参加した地域ガバナンスの会議の報告を行った。コソヴォ外のプランナーと接する貴重な機会である。ロシア、アルバニア、オランダ、ベルギーなどから参加者が集まったようである。しかし残念ながら何を話し合って、結果として何を得てきたのか。基本的なことであるがそれがプレゼンに反映されていない。我慢強く彼らのプレゼンを聞く。これもトレーニングのひとつだろう。
文字のみ、内容なし、そして長いプレゼンに観光写真。
フランクが、発表を短くまとめるよう再三指導。最後は発表に感謝しつつコメント。「シャンパンにたとえるならば、とてもドライだけど味のあるプレゼン。後はスパークリングを加えて、豊かな味に仕上がることを期待する」だそうだ。
Abstract-48; Bye for now, Lim Hooi Siang
10/6 シアン送別会
家庭の事情によりマレーシアのプランナーシアンが帰国する。最後の1週間は我が家に泊まっていたし、またほかの同僚も泊まりに来ていた(ベッドが3つある)ので、飲んでは色々と話しをした。彼の専門は歴史的文化遺産、歴史的景観保全である。マレーシアのペナン市でもいくつかのプロジェクトを実現しており、コソヴォでの担当は最も歴史的経緯の深いプリズレン市であった。自治体の予算不足やキャパシティ不足に悩まされながらも、その他の国際団体と連携をとりながら、プランニングを進めていた。プリズレンは過去に世界遺産に登録する手続きをとっていたが、紛争もあり、結果的に特別な位置づけがなされていないままである。現在コソヴォでは少数民族であり、コソヴォ独立に反対しているセルビア人にとっても、歴史的に非常に意味のある都市である。
彼はまた戻ってくるというので、もしよければ邪魔なものおいていったら?と勧める。そしたら、靴や洋服など一通り残していった。靴、はいてもいいよ、って。いや、人の靴履く習慣ないから、。
午前中は急遽彼のお別れ会となった。CTAのエリザベットとスーパーバイザーのフランクから本のプレゼント、皆で寄せ書きをする。
「まさにチャレンジというプログラムで、良い同僚に恵まれた。また春になったら戻ってきたい。」
と言い残した。
彼が担当していた自治体プランニングユニット構築のタスクフォースを、僕が相続することになったので、最後の会議のまとめ、マレーシアから送ってね、それまでは仕事終わってないよ?と頼む。
6ヶ月間、混沌とした状況を共に過ごした戦友が去る。必ず戻ってくるとは言い切れないので、やはり寂しい。同僚の国際プランナーには本当に恵まれており、お互いに阿吽の呼吸でプログラムを進めてきた、旅行や食事も良く共にし、くだらない話からプランニングの国際議論まで、本当に楽しかった。大事な仲間が去る、別れというのは寂しいもの。しかし、昔とは違い今はネットやメール、スカイプ(ネット電話)などがある。これからも繋がっていける、貴重な同僚がいることは、かけがえのない財産だと感じる。そして共に世界を広げていく。
朝の会議では、エリザベットが今週のTPRについて、スウェーデン政府もHABITATナイロビ本部もプログラムの成果を高く評価していること、スタッフを誇りに思うという激励をした。ついでに、非常に重要なプログラムなので、スウェーデン政府も次のプログラムを継続で立ち上げることを示唆しているとのこと。フェリザイプロジェクトに非常に興味を持っているとか。いや、そのままこのプログラムを引き受けるかは、僕は約束できませんが、。決められた期間内に、やるべきことをやる。
プリシュティナ空港までシアンを送る。フランクがベルギーに一時帰国するので、一緒に送っていく。空港に着くと同時にフランクは飛行機の時間がなく急ぎ足でチェックイン、シアンと私はお茶をして最後にお別れ。「いろいろとありがとう」「こちらこそ」。
帰りの車、一人渋滞の中、心にぽっかり穴があいたような気分になる。見送りっていうのは切ない。また会えるでしょう。
別れがあれば、新たな出会いもある。来週末にはミトロビッツァ担当となるオーストラリアのプランナー、ナタリーが合流する。その後、シアンの担当の代わりにアフリカ系イギリス人のプランナーが合流する予定である。
10/9 法制度確認
アイダは不法居住のミーティングでプリシュティナへ。しばらく文献整理をする時間がなかったので都市計画関連法制度と施行令の整理を行う。システムが一気に構築されているが、現場でのプラン策定が停滞している。公共交通政策、環境政策、農業政策など、数え始めたらやるべきことが多くある。
ゼロからのスタート、すべてのプランニング関係施策を一度に取り扱っている。冬の到来もそう遠くはないので、陽が短くなってきている。やることは多いが、やりがいはあるし、自治体職員もプランニングにかなり興味を持ってきている。
10/10 ワークプラン構築
6ヶ月単位で、プロジェクト推進のためのワークプランを作成している。プログラムスタート時にはかなり曖昧だったものもかなり明確になってきた。大枠で整理すると以下の内容。これらはあくまでも自治体のなかでの活動であり、プリシュティナ本部で行う会議やその他の活動はまた別に加わる。
まだ、整理しきれていない分野も多い。議論を進めるたびに、やることが増える状況にある。視野がjひろがりやるべき事に気づくというのは、進んでいるということか。気が遠くなる。
・コソヴォ地域空間計画のパブリックリビュー
・定例ミーティング(市長/CEO/部長会議/自治体プランニングチーム/プランニングチーム調整ユニット/投資キャパシティチーム/テーマ別4チーム)
・市民参加推進のための会議(村落・市内居住者/少数民族ミーティング/市民参加団体/民営化された大規模工場所有者/商工会議所)
・ディベロップメントプラン関連調査とデータ構築(GISデータ構築/2002-2004間の市街地拡大状況の調査/違法建築調査/建築区域の指定調査/農業自然保全地域の設定/道路ネットワーク分析/大規模工場跡地の土地利用転換調査/商工業土地利用誘導方策の検討)
・自治体プランナーのトレーニング(GISデータ作成/ビジョニングワークショップの実践方法/自治体間のプランナー意見交換会(スロヴェニア旅行)/法制度の講習)
・自治体ディベロップメントプラン、アーバンディベロップメントプランの策定推進(コンサルトレーニング/環境・都市空間計画省との協議/ビジョニングワークショップ/アクションプランの位置づけ/素案策定/パブリックリビュー)
・モビリティセンタープロジェクト(公共交通専門家との協議/スウェーデン視察旅行/自治体プランニングチーム内タスクフォースの運営/中央政府交通・コミュニケーション省との調整/コソヴォ鉄道との調整/パンフレット作成と配布/アンケート調査・分析/民間投資家との調整/ビジョニング ワークショップ/ビジョンの策定/フィージビリティチェック/モビリティセンタープロジェクトの設計支援)
・不法居住改善プロジェクト(自治体プランニングチーム内タスクフォースの運営/中央政府住宅局との調整/不法居住と違法建築の定義/不法居住地域の指定/アンケート調査・分析/ビジョニング ワークショップ/ビジョンの策定)
・国際関係機関との会議(UNMIK/OSCE)
・既存の詳細プランの調査(7地域)
・調査費等の見積もり
10/11 ワークプラン構築、風邪引きそう
引き続きワークプランを作成。取り組み時期や達成目標を設定。体調が良くないが、明日のジャコバ市でのミーティングで、各自治体のワークプランについて議論したいということなので、一旦まとめなければならない。夜は役所が閉まってしまうので自宅で仕事継続。寒気がして風邪薬を飲み1時間眠る。また起き出して毛布をかぶり仕事をする。仮眠が良かったようで風邪は悪化せず、無事に仕事を終える。
ちなみにこのバルカン備忘録(ブログ)は、ワークプラン策定に役立つ。物忘れが激しくなったら、備忘録をつけるに限る。
家庭の事情によりマレーシアのプランナーシアンが帰国する。最後の1週間は我が家に泊まっていたし、またほかの同僚も泊まりに来ていた(ベッドが3つある)ので、飲んでは色々と話しをした。彼の専門は歴史的文化遺産、歴史的景観保全である。マレーシアのペナン市でもいくつかのプロジェクトを実現しており、コソヴォでの担当は最も歴史的経緯の深いプリズレン市であった。自治体の予算不足やキャパシティ不足に悩まされながらも、その他の国際団体と連携をとりながら、プランニングを進めていた。プリズレンは過去に世界遺産に登録する手続きをとっていたが、紛争もあり、結果的に特別な位置づけがなされていないままである。現在コソヴォでは少数民族であり、コソヴォ独立に反対しているセルビア人にとっても、歴史的に非常に意味のある都市である。
彼はまた戻ってくるというので、もしよければ邪魔なものおいていったら?と勧める。そしたら、靴や洋服など一通り残していった。靴、はいてもいいよ、って。いや、人の靴履く習慣ないから、。
午前中は急遽彼のお別れ会となった。CTAのエリザベットとスーパーバイザーのフランクから本のプレゼント、皆で寄せ書きをする。
「まさにチャレンジというプログラムで、良い同僚に恵まれた。また春になったら戻ってきたい。」
と言い残した。
彼が担当していた自治体プランニングユニット構築のタスクフォースを、僕が相続することになったので、最後の会議のまとめ、マレーシアから送ってね、それまでは仕事終わってないよ?と頼む。
6ヶ月間、混沌とした状況を共に過ごした戦友が去る。必ず戻ってくるとは言い切れないので、やはり寂しい。同僚の国際プランナーには本当に恵まれており、お互いに阿吽の呼吸でプログラムを進めてきた、旅行や食事も良く共にし、くだらない話からプランニングの国際議論まで、本当に楽しかった。大事な仲間が去る、別れというのは寂しいもの。しかし、昔とは違い今はネットやメール、スカイプ(ネット電話)などがある。これからも繋がっていける、貴重な同僚がいることは、かけがえのない財産だと感じる。そして共に世界を広げていく。
朝の会議では、エリザベットが今週のTPRについて、スウェーデン政府もHABITATナイロビ本部もプログラムの成果を高く評価していること、スタッフを誇りに思うという激励をした。ついでに、非常に重要なプログラムなので、スウェーデン政府も次のプログラムを継続で立ち上げることを示唆しているとのこと。フェリザイプロジェクトに非常に興味を持っているとか。いや、そのままこのプログラムを引き受けるかは、僕は約束できませんが、。決められた期間内に、やるべきことをやる。
プリシュティナ空港までシアンを送る。フランクがベルギーに一時帰国するので、一緒に送っていく。空港に着くと同時にフランクは飛行機の時間がなく急ぎ足でチェックイン、シアンと私はお茶をして最後にお別れ。「いろいろとありがとう」「こちらこそ」。
帰りの車、一人渋滞の中、心にぽっかり穴があいたような気分になる。見送りっていうのは切ない。また会えるでしょう。
別れがあれば、新たな出会いもある。来週末にはミトロビッツァ担当となるオーストラリアのプランナー、ナタリーが合流する。その後、シアンの担当の代わりにアフリカ系イギリス人のプランナーが合流する予定である。
10/9 法制度確認
アイダは不法居住のミーティングでプリシュティナへ。しばらく文献整理をする時間がなかったので都市計画関連法制度と施行令の整理を行う。システムが一気に構築されているが、現場でのプラン策定が停滞している。公共交通政策、環境政策、農業政策など、数え始めたらやるべきことが多くある。
ゼロからのスタート、すべてのプランニング関係施策を一度に取り扱っている。冬の到来もそう遠くはないので、陽が短くなってきている。やることは多いが、やりがいはあるし、自治体職員もプランニングにかなり興味を持ってきている。
10/10 ワークプラン構築
6ヶ月単位で、プロジェクト推進のためのワークプランを作成している。プログラムスタート時にはかなり曖昧だったものもかなり明確になってきた。大枠で整理すると以下の内容。これらはあくまでも自治体のなかでの活動であり、プリシュティナ本部で行う会議やその他の活動はまた別に加わる。
まだ、整理しきれていない分野も多い。議論を進めるたびに、やることが増える状況にある。視野がjひろがりやるべき事に気づくというのは、進んでいるということか。気が遠くなる。
・コソヴォ地域空間計画のパブリックリビュー
・定例ミーティング(市長/CEO/部長会議/自治体プランニングチーム/プランニングチーム調整ユニット/投資キャパシティチーム/テーマ別4チーム)
・市民参加推進のための会議(村落・市内居住者/少数民族ミーティング/市民参加団体/民営化された大規模工場所有者/商工会議所)
・ディベロップメントプラン関連調査とデータ構築(GISデータ構築/2002-2004間の市街地拡大状況の調査/違法建築調査/建築区域の指定調査/農業自然保全地域の設定/道路ネットワーク分析/大規模工場跡地の土地利用転換調査/商工業土地利用誘導方策の検討)
・自治体プランナーのトレーニング(GISデータ作成/ビジョニングワークショップの実践方法/自治体間のプランナー意見交換会(スロヴェニア旅行)/法制度の講習)
・自治体ディベロップメントプラン、アーバンディベロップメントプランの策定推進(コンサルトレーニング/環境・都市空間計画省との協議/ビジョニングワークショップ/アクションプランの位置づけ/素案策定/パブリックリビュー)
・モビリティセンタープロジェクト(公共交通専門家との協議/スウェーデン視察旅行/自治体プランニングチーム内タスクフォースの運営/中央政府交通・コミュニケーション省との調整/コソヴォ鉄道との調整/パンフレット作成と配布/アンケート調査・分析/民間投資家との調整/ビジョニング ワークショップ/ビジョンの策定/フィージビリティチェック/モビリティセンタープロジェクトの設計支援)
・不法居住改善プロジェクト(自治体プランニングチーム内タスクフォースの運営/中央政府住宅局との調整/不法居住と違法建築の定義/不法居住地域の指定/アンケート調査・分析/ビジョニング ワークショップ/ビジョンの策定)
・国際関係機関との会議(UNMIK/OSCE)
・既存の詳細プランの調査(7地域)
・調査費等の見積もり
10/11 ワークプラン構築、風邪引きそう
引き続きワークプランを作成。取り組み時期や達成目標を設定。体調が良くないが、明日のジャコバ市でのミーティングで、各自治体のワークプランについて議論したいということなので、一旦まとめなければならない。夜は役所が閉まってしまうので自宅で仕事継続。寒気がして風邪薬を飲み1時間眠る。また起き出して毛布をかぶり仕事をする。仮眠が良かったようで風邪は悪化せず、無事に仕事を終える。
ちなみにこのバルカン備忘録(ブログ)は、ワークプラン策定に役立つ。物忘れが激しくなったら、備忘録をつけるに限る。
Tuesday, October 10, 2006
Monday, October 09, 2006
Abstract-47; Tri Partite Review Meeting (TPR)
10/2 World HABITAT Day
毎年10月のはじめの月曜日はハビタットデーである。各国各地でイベントが開催される。コソヴォでもなにかイベントを、と何度かチームミーティングで議論されたものの、上のまとまりが悪く要領を得ない。地元がハビタットと一緒に何かイベントをする、というのが趣旨で、我々の状況下では自治体が主体となったアクションを行うことになるようである。
何かアイデアを、とフランクとクリスティーナが募集。いくつかアイデアも上がったにもかかわらず、いつのまにかそれぞれの自治体の自主性に任せる、と全体としてのイベントを却下。
プリシュティナオフィス主催ならば支援するが、各自治体となると、現在TPR準備でイベントができる状況ではない。
午前中は自治体部長会議、兼、自治体プランニングチーム会議。その場を借りてハビタットデーの説明とナイロビ代表のコメントをアイダが朗読。
その後、TPR用に用意した「Past, Present and Future of Ferizaj」をプレゼンする。モビリティセンターの内容も含まれているので、グンナーと通訳のフラマーにもフェリザイに来てもらった。
6ヶ月の成果としての解説トピックは以下の内容
・自治体のプランニング組織構成について
・外部組織との連携について
・戦略的プランニングアプローチ(自治体内部の部局間の意向調整、データ分析、コンサルとの調整、市民参加の推進、NGOとの連携、中央政府との連携)
・プロジェクトの優先順位(経済・環境へのインパクト、市民の居住環境への影響)
・モビリティセンタープロジェクト(EUにおける位置づけ、現状分析、コソヴォ鉄道の政策、タスクフォースの活動、プロジェクト戦略)
・今後の展開
モビリティセンタープロジェクトについて、その目的と効果、実現方法のイメージなどをグンナーに追加解説してもらう。
プロジェクトについてはおおむね賛同の様子、実際の実現方法についての質問が多い。中にはまだ駅機能を都市郊外に移転する発想について質問する者もいるが、駅機能を中心市街地に確保しておくことが有効であることはある程度認識されるようになってきている。
今日からシアンが我が家に宿泊。彼は今週末にコソヴォを離れる。荷物をまとめて担当自治体のプリズレンから引き上げてきた。夜は共に飲んで、ご飯を食べる。
10/3 チームミーティング
プリシュティナオフィスでミーティング。明日からのTPRミーティングについての最終確認が行われる。いまいち要領を得ない部分もあるが、準備はできているので問題はない。
昨日発表した資料について、自治体のプランニング組織構成の説明は初日午後のセッションでムスタファが説明することになっている。モビリティセンターについても同セッションでグンナーが説明することになっているが、細かい説明は行わない。
TPR2日目、午前中はフェリザイへの視察となっている。昨日のプレゼンのモビリティセンタープロジェクトについて説明することにする。資料はアルバニア語に翻訳してムスタファが発表する。英語版はコピーを配布する。
なんとか準備も整い、一安心。
アルバニア語版にした場合の図の修正など、細かな対応を行う。
夜はシアンとエリックとインド料理を食べに行く。エリックはスロベニア研修旅行の企画担当を任されていて、その調整がうまくいかず憤っている。
エリックとフローの間に子供ができたことを聞かされる。3ヶ月、彼女はいま検査でベルギーに帰っている。とにかく、おめでとう。
10/4 TPR Day-1
午前中、プリシュティナオフィスでスウェーデン政府とHABITATナイロビのダンルイスを交えた、インフォーマルなミーティングが行われた。簡単に言うと、現在の状況を率直に担当者の口から聞きたい、というところだろうか。
しかし、上司の段取りが悪く、どの段階で何を説明すべきか全くわからない。フランクは午後使用するパワーポイントを映して、これで説明してほしいと言い出すし、同じパワーポイントを2度みせるべきじゃないとアイダは怒る。フランク曰く、「何もないより見栄えがよい」。いや、あまりにお粗末なご意見。
とにかく、パワーポイントにかかわらず、6ヶ月経っての感想を説明すればいい訳ね?と確認する。
各自治体の担当者の説明、フェリザイについては、以下の内容を説明する。
~最も大きな成果としては、我々が”モビリティセンター”と呼んでいるプロジェクトがある。これは公共交通専門家のグンナーと密に連携して進めているプロジェクトであるが、今日の午後と明日現地視察の際に詳しい説明をする予定であるので、その他、6ヶ月を過ごして感じている印象を中心に説明させてもらいます。
まずはじめに、当初自治体でのプランニング支援を始めたときには、プランニングについて市民参加についての知識が全くなかったのが現状である。その時点から変わったと感じることは以下の点である。~
・プランニング活動に触れる担当者の温度・雰囲気が変わったこと
はじめは及び腰であった自治体の職員について、彼らをテーブルにつかせる努力をしている。たとえば農業自然部局部長へのヒアリングの際、フェリザイの農業土地利用の状況を教えてほしいと訪ねた際に、資料がないといわれる。しかし、フェリザイの中で農業土地利用のことを最も理解しているのは専門家であるあなたしかいない、だから、ラフなスケッチでもいいから、いまここで地図に示してほしいと協力を仰ぐ。
テーマ別検討部会でも、コンサルタントと契約しているから彼らに分析をさせるべきだとの皆の考えが主体であった。しかし、実務に触れているあなたがたの意見が誰よりも正確であること、その意見をプランに反映させなければ、コンサルの描いた、ただの絵がプランになってしまう。それにフェリザイの将来を託せるのかと問う。
プランニングの重要性のみならず、いかにプランニング活動を楽しむか?誇りをもって取り組むかという姿勢について、様々な機会でトレーニングしてきた。
現在では非常に優秀なプランナーが1名いる。その他の者も、プランナーとしてトレーニングの中にある段階ではあるが、少しずつ、議論の和に加わって発言を始めている。単なる追加の仕事から、特別な何かへと変わってきている空気を感じる。
・コンサルタントによる「絵」を、実現可能な「プラン」へと近づける
たまに来て、充分な基礎分析なしに絵を描いてくるコンサルに対し、自治体職員の意見や、カウンシルプランニングエキスパートの意見を採り入れるよう協議している(協議というよりも、闘争に近い状況が多いが)。市長が早急にプランを策定せよと指令を出していること、またコンサルはプロだから市民の意見は必要ないと市長がコンサルを支持する状況にある。とかく時間をかけて実効性の高いプランを策定しようとしている自治体プランナーが市長に非難される状況があった。
それでも、様々な主体の参加や意見聴取の必要性を説き、プランニングプロセスにコンサルタントを参加させている。
・市民意見聴取の推進
法によるパブリックリビューが唯一の市民意見聴取とするコンサル側に対し、法の施行令等に定義されている、広義の市民参加を根拠とした市民意見聴取の実施を進めたこと。
現段階で村落4回、市内2回、シビルソサエティ1回、ビジネスコミュニティ1回のミーティングを行っている。参加者からは、民主主義の仕組みとして歓迎されるとともに、自治体プランナー、コンサルタントも地元の声を聴くことでえるものが大きかった。
・アクションプロジェクトの推進
プランが単に絵に描いたものではなく、現実のものとなることを示すためにも実現可能なプロジェクトを推進することが求められる。現段階ではシティセンターの改善を目指すモビリティセンタープロジェクトを推進している。今後、調査を進めると共に、他のプロジェクトも推進する。
上司の仕切りは悪くとも、我々国際プランナーがカバー。午前中のセッションは有意義に終わる。
また、ダンルイスによるコソヴォのプランニングについてのコメントがあった。彼は以前コソヴォHABITATで土地所有に関わる登記等のプロジェクトを進めていた経緯がある。
UNICEFの子供への支援、UNDPによる開発事業援助、UNHCRによる難民対応などと比べて、HABITATの活動は簡単に説明ができないし、その成果も表現が難しい。しばしばHABITATは何をしてきたのかと問われることがある。その成果があがっていることは間違いないが、戦略的に、かつその重要性をアピールできるよう手段を講じていかなければならないことが指摘される。
また、プランニング、各種土地利用データと土地の権利について、この3つの内容が統合されるような仕組み作りに今後取り組む必要性があることも説明された。
個人的にも土地の権利とプランニングの連携については大きな課題だと認識していたので、興味深い話であった。
午後は、ビクトリアホテルにてフォーマルな会議が催される。6自治体のプランナー、市長またはCEO、中央政府、スウェーデン政府、HABITATナイロビ本部などによるコンフェレンス。
演説を始める人がいたりして、あまりまとまりのある会議にはらななかった。
10/5 TPR Day-2 フェリザイ視察
配付資料のコピーなどやることがあるので7時半に迎えに行く、とアイダに言うも、無理、7時45分にして。といわれる。わかった、絶対遅刻しないように、と妥協。
視察が来るのが9時。それまでにセッティングができるかどうか。
8時半にフェリザイに到着。英語版とアルバニア語版の資料をコピーする。ムスタファが発表内容の再確認に来る。
バタバタしているうちに視察団到着。市長室に集合するというが、まだ印刷途中、それみたことか。
アイダとムスタファを先に行かせる。
市長室に皆が勢揃い。市長との会談が始まる。
視察訪問への謝意にはじまり、市長によるフェリザイの状況解説。人口に対する中央政府の予算配分が少ないこと、市内に充分な土地がないにもかかわらず、学校施設などのニーズが高いこと。KTA(Kosovo Trust Agency)が凍結している公有土地の民間売却が進んでおり、大規模土地が一気に土地利用転換されることが想定されること。にもかかわらず、我が市にはまだプランがないため、早急に策定させるように指示を出していること。駅とバスセンターの統合についての議論は、駅を市内に残すことについては理解できるものの、バス機能を統合することで中心部は大渋滞になるのではないかと考えていること。モビリティセンタープロジェクトについて良く議論したいことが説明された。
性急にプランを策定させるとの発言に対して、フランクが反論する。
「時間をかけて様々な意見を採り入れてプランを作ることが必要。欧州では一般的にプラン策定に数年かけるのが通常である。スピードアップよりも、我慢しながら時間をかけて良いものを作ることが必要である。」と指摘。
これに対して市長
「私は法律家である。法律に関して言えば悪い法律であってもないよりはましだと思っている。今はプランニングに関してその法律がない状態、だから急いで必要だと考えている。」
ナイロビ本部のダンルイスの援護
「しかし、悪い法律が与える悪影響というものもある。フランクが言ったのはその弊害を避けることが必要であるという意味だと解釈できるが。」
スウェーデン政府の援護
「とにかく、たとえプランが必要で早急に策定したとしても、コンサルに任せて作ったプランができあがった時点でプランニングが終わったとは思わないでほしい。そこがスタートであり、そこから考えるべき事が多くある。」
またKTAにより凍結されている土地の土地利用転換についてダンルイスが質問。周辺住民との調整や規制誘導の手段について訪ねる。これは建設法のなかで周辺協議が位置づけられており、また議会でも議論される。しかし市長に言わせればプランがないので適切に誘導できないとのこと。
しかし、コンサルの描いたあのプランでは誘導しようもないとおもうけれど。
話がモビリティセンターになり、ムスタファが説明を始める。しかし別室でのプレゼンが用意されているので、「ちょうどモビリティセンターの話になったところで、プレゼンに移りましょうか?」と別室に移動する。
ムスタファによるプレゼンテーション。彼は状況を良くわかっているし、自分の意見を交えてうまく説明している。プレゼンについて、ナイロビスタッフ、スウェーデン政府に絶賛していただいた。
HABITATの都市計画支援プログラムは実はコソヴォが先駆事例であり、ダンルイスは、このプロジェクトを評価し、各国での参考にしたいとコメント。フェリザイ自治体担当者がナイロビに招待されることも示唆した。クリスティーナもフランクにもパーフェクト、とお褒め頂いた。
まだ、やることが多く、これで喜んでもらっては困るのだけれど、。
オフィス見せてもらえる?とスウェーデン政府。狭くて質素なところですがどうぞとご招待。沢山の人が狭い部屋に。最後は駅の見学。
とりあえず、一段落。
毎年10月のはじめの月曜日はハビタットデーである。各国各地でイベントが開催される。コソヴォでもなにかイベントを、と何度かチームミーティングで議論されたものの、上のまとまりが悪く要領を得ない。地元がハビタットと一緒に何かイベントをする、というのが趣旨で、我々の状況下では自治体が主体となったアクションを行うことになるようである。
何かアイデアを、とフランクとクリスティーナが募集。いくつかアイデアも上がったにもかかわらず、いつのまにかそれぞれの自治体の自主性に任せる、と全体としてのイベントを却下。
プリシュティナオフィス主催ならば支援するが、各自治体となると、現在TPR準備でイベントができる状況ではない。
午前中は自治体部長会議、兼、自治体プランニングチーム会議。その場を借りてハビタットデーの説明とナイロビ代表のコメントをアイダが朗読。
その後、TPR用に用意した「Past, Present and Future of Ferizaj」をプレゼンする。モビリティセンターの内容も含まれているので、グンナーと通訳のフラマーにもフェリザイに来てもらった。
6ヶ月の成果としての解説トピックは以下の内容
・自治体のプランニング組織構成について
・外部組織との連携について
・戦略的プランニングアプローチ(自治体内部の部局間の意向調整、データ分析、コンサルとの調整、市民参加の推進、NGOとの連携、中央政府との連携)
・プロジェクトの優先順位(経済・環境へのインパクト、市民の居住環境への影響)
・モビリティセンタープロジェクト(EUにおける位置づけ、現状分析、コソヴォ鉄道の政策、タスクフォースの活動、プロジェクト戦略)
・今後の展開
モビリティセンタープロジェクトについて、その目的と効果、実現方法のイメージなどをグンナーに追加解説してもらう。
プロジェクトについてはおおむね賛同の様子、実際の実現方法についての質問が多い。中にはまだ駅機能を都市郊外に移転する発想について質問する者もいるが、駅機能を中心市街地に確保しておくことが有効であることはある程度認識されるようになってきている。
今日からシアンが我が家に宿泊。彼は今週末にコソヴォを離れる。荷物をまとめて担当自治体のプリズレンから引き上げてきた。夜は共に飲んで、ご飯を食べる。
10/3 チームミーティング
プリシュティナオフィスでミーティング。明日からのTPRミーティングについての最終確認が行われる。いまいち要領を得ない部分もあるが、準備はできているので問題はない。
昨日発表した資料について、自治体のプランニング組織構成の説明は初日午後のセッションでムスタファが説明することになっている。モビリティセンターについても同セッションでグンナーが説明することになっているが、細かい説明は行わない。
TPR2日目、午前中はフェリザイへの視察となっている。昨日のプレゼンのモビリティセンタープロジェクトについて説明することにする。資料はアルバニア語に翻訳してムスタファが発表する。英語版はコピーを配布する。
なんとか準備も整い、一安心。
アルバニア語版にした場合の図の修正など、細かな対応を行う。
夜はシアンとエリックとインド料理を食べに行く。エリックはスロベニア研修旅行の企画担当を任されていて、その調整がうまくいかず憤っている。
エリックとフローの間に子供ができたことを聞かされる。3ヶ月、彼女はいま検査でベルギーに帰っている。とにかく、おめでとう。
10/4 TPR Day-1
午前中、プリシュティナオフィスでスウェーデン政府とHABITATナイロビのダンルイスを交えた、インフォーマルなミーティングが行われた。簡単に言うと、現在の状況を率直に担当者の口から聞きたい、というところだろうか。
しかし、上司の段取りが悪く、どの段階で何を説明すべきか全くわからない。フランクは午後使用するパワーポイントを映して、これで説明してほしいと言い出すし、同じパワーポイントを2度みせるべきじゃないとアイダは怒る。フランク曰く、「何もないより見栄えがよい」。いや、あまりにお粗末なご意見。
とにかく、パワーポイントにかかわらず、6ヶ月経っての感想を説明すればいい訳ね?と確認する。
各自治体の担当者の説明、フェリザイについては、以下の内容を説明する。
~最も大きな成果としては、我々が”モビリティセンター”と呼んでいるプロジェクトがある。これは公共交通専門家のグンナーと密に連携して進めているプロジェクトであるが、今日の午後と明日現地視察の際に詳しい説明をする予定であるので、その他、6ヶ月を過ごして感じている印象を中心に説明させてもらいます。
まずはじめに、当初自治体でのプランニング支援を始めたときには、プランニングについて市民参加についての知識が全くなかったのが現状である。その時点から変わったと感じることは以下の点である。~
・プランニング活動に触れる担当者の温度・雰囲気が変わったこと
はじめは及び腰であった自治体の職員について、彼らをテーブルにつかせる努力をしている。たとえば農業自然部局部長へのヒアリングの際、フェリザイの農業土地利用の状況を教えてほしいと訪ねた際に、資料がないといわれる。しかし、フェリザイの中で農業土地利用のことを最も理解しているのは専門家であるあなたしかいない、だから、ラフなスケッチでもいいから、いまここで地図に示してほしいと協力を仰ぐ。
テーマ別検討部会でも、コンサルタントと契約しているから彼らに分析をさせるべきだとの皆の考えが主体であった。しかし、実務に触れているあなたがたの意見が誰よりも正確であること、その意見をプランに反映させなければ、コンサルの描いた、ただの絵がプランになってしまう。それにフェリザイの将来を託せるのかと問う。
プランニングの重要性のみならず、いかにプランニング活動を楽しむか?誇りをもって取り組むかという姿勢について、様々な機会でトレーニングしてきた。
現在では非常に優秀なプランナーが1名いる。その他の者も、プランナーとしてトレーニングの中にある段階ではあるが、少しずつ、議論の和に加わって発言を始めている。単なる追加の仕事から、特別な何かへと変わってきている空気を感じる。
・コンサルタントによる「絵」を、実現可能な「プラン」へと近づける
たまに来て、充分な基礎分析なしに絵を描いてくるコンサルに対し、自治体職員の意見や、カウンシルプランニングエキスパートの意見を採り入れるよう協議している(協議というよりも、闘争に近い状況が多いが)。市長が早急にプランを策定せよと指令を出していること、またコンサルはプロだから市民の意見は必要ないと市長がコンサルを支持する状況にある。とかく時間をかけて実効性の高いプランを策定しようとしている自治体プランナーが市長に非難される状況があった。
それでも、様々な主体の参加や意見聴取の必要性を説き、プランニングプロセスにコンサルタントを参加させている。
・市民意見聴取の推進
法によるパブリックリビューが唯一の市民意見聴取とするコンサル側に対し、法の施行令等に定義されている、広義の市民参加を根拠とした市民意見聴取の実施を進めたこと。
現段階で村落4回、市内2回、シビルソサエティ1回、ビジネスコミュニティ1回のミーティングを行っている。参加者からは、民主主義の仕組みとして歓迎されるとともに、自治体プランナー、コンサルタントも地元の声を聴くことでえるものが大きかった。
・アクションプロジェクトの推進
プランが単に絵に描いたものではなく、現実のものとなることを示すためにも実現可能なプロジェクトを推進することが求められる。現段階ではシティセンターの改善を目指すモビリティセンタープロジェクトを推進している。今後、調査を進めると共に、他のプロジェクトも推進する。
上司の仕切りは悪くとも、我々国際プランナーがカバー。午前中のセッションは有意義に終わる。
また、ダンルイスによるコソヴォのプランニングについてのコメントがあった。彼は以前コソヴォHABITATで土地所有に関わる登記等のプロジェクトを進めていた経緯がある。
UNICEFの子供への支援、UNDPによる開発事業援助、UNHCRによる難民対応などと比べて、HABITATの活動は簡単に説明ができないし、その成果も表現が難しい。しばしばHABITATは何をしてきたのかと問われることがある。その成果があがっていることは間違いないが、戦略的に、かつその重要性をアピールできるよう手段を講じていかなければならないことが指摘される。
また、プランニング、各種土地利用データと土地の権利について、この3つの内容が統合されるような仕組み作りに今後取り組む必要性があることも説明された。
個人的にも土地の権利とプランニングの連携については大きな課題だと認識していたので、興味深い話であった。
午後は、ビクトリアホテルにてフォーマルな会議が催される。6自治体のプランナー、市長またはCEO、中央政府、スウェーデン政府、HABITATナイロビ本部などによるコンフェレンス。
演説を始める人がいたりして、あまりまとまりのある会議にはらななかった。
10/5 TPR Day-2 フェリザイ視察
配付資料のコピーなどやることがあるので7時半に迎えに行く、とアイダに言うも、無理、7時45分にして。といわれる。わかった、絶対遅刻しないように、と妥協。
視察が来るのが9時。それまでにセッティングができるかどうか。
8時半にフェリザイに到着。英語版とアルバニア語版の資料をコピーする。ムスタファが発表内容の再確認に来る。
バタバタしているうちに視察団到着。市長室に集合するというが、まだ印刷途中、それみたことか。
アイダとムスタファを先に行かせる。
市長室に皆が勢揃い。市長との会談が始まる。
視察訪問への謝意にはじまり、市長によるフェリザイの状況解説。人口に対する中央政府の予算配分が少ないこと、市内に充分な土地がないにもかかわらず、学校施設などのニーズが高いこと。KTA(Kosovo Trust Agency)が凍結している公有土地の民間売却が進んでおり、大規模土地が一気に土地利用転換されることが想定されること。にもかかわらず、我が市にはまだプランがないため、早急に策定させるように指示を出していること。駅とバスセンターの統合についての議論は、駅を市内に残すことについては理解できるものの、バス機能を統合することで中心部は大渋滞になるのではないかと考えていること。モビリティセンタープロジェクトについて良く議論したいことが説明された。
性急にプランを策定させるとの発言に対して、フランクが反論する。
「時間をかけて様々な意見を採り入れてプランを作ることが必要。欧州では一般的にプラン策定に数年かけるのが通常である。スピードアップよりも、我慢しながら時間をかけて良いものを作ることが必要である。」と指摘。
これに対して市長
「私は法律家である。法律に関して言えば悪い法律であってもないよりはましだと思っている。今はプランニングに関してその法律がない状態、だから急いで必要だと考えている。」
ナイロビ本部のダンルイスの援護
「しかし、悪い法律が与える悪影響というものもある。フランクが言ったのはその弊害を避けることが必要であるという意味だと解釈できるが。」
スウェーデン政府の援護
「とにかく、たとえプランが必要で早急に策定したとしても、コンサルに任せて作ったプランができあがった時点でプランニングが終わったとは思わないでほしい。そこがスタートであり、そこから考えるべき事が多くある。」
またKTAにより凍結されている土地の土地利用転換についてダンルイスが質問。周辺住民との調整や規制誘導の手段について訪ねる。これは建設法のなかで周辺協議が位置づけられており、また議会でも議論される。しかし市長に言わせればプランがないので適切に誘導できないとのこと。
しかし、コンサルの描いたあのプランでは誘導しようもないとおもうけれど。
話がモビリティセンターになり、ムスタファが説明を始める。しかし別室でのプレゼンが用意されているので、「ちょうどモビリティセンターの話になったところで、プレゼンに移りましょうか?」と別室に移動する。
ムスタファによるプレゼンテーション。彼は状況を良くわかっているし、自分の意見を交えてうまく説明している。プレゼンについて、ナイロビスタッフ、スウェーデン政府に絶賛していただいた。
HABITATの都市計画支援プログラムは実はコソヴォが先駆事例であり、ダンルイスは、このプロジェクトを評価し、各国での参考にしたいとコメント。フェリザイ自治体担当者がナイロビに招待されることも示唆した。クリスティーナもフランクにもパーフェクト、とお褒め頂いた。
まだ、やることが多く、これで喜んでもらっては困るのだけれど、。
オフィス見せてもらえる?とスウェーデン政府。狭くて質素なところですがどうぞとご招待。沢山の人が狭い部屋に。最後は駅の見学。
とりあえず、一段落。
Abstract-46; Good Urban Governance
9/26 フェリザイにて
通常業務、資料整理や今後の計画など。モビリティセンターに関する今後の進め方をムスタファと議論する。
9/27 Good Urban Governance Regional Conference day-1
コンフェレンス初日、スピーチにコソヴォSRSG(国連事務総長代理)のルーカーが名前を連ねていた ので楽しみにしていたが、急遽欠席。
コソヴォ大臣、環境・地域空間計画大臣の挨拶から地方政府大臣、HABITAT、ブリュッセル・リエゾンオフィスのポールテイラーによる公演。
後半はHABITATクリスティーナによる市民活動団体の参加について、フェリザイCEOのスピーチ、ボスニアヘルツェゴビナ、モスタルにあるHABITATスタッフによる事例説明、プリシュティナ市長のスピーチなど。
テーマは如何に都市の秩序、地域空間計画を皆の手で作り上げていくか。というもの。
更にルーベン大学教授のケリーによる、過去のHABITATと連携して行ったプロジェクトについて説明がなされる。
過去のコンフェレンスのなかでは、一番内容のあるもので、ポールテイラーによる仕切りがよく、全体として成果のあった会議であった。
コーヒーブレイクの際に、ポールテイラーに話しかけられる。
プログラムにおいて、自治体プランナーとの連携、コンサルタントとの調整。どの程度の意識があるか、プランニング推進にどのような障害があるのか。それに対してどんなことができるのか?
さすがに意見がシンプルかつわかりやすい、そして説明がユニークである。こういう人と仕事をしたら面白いだろうなと思う。
現場の話をもっとよく聞きたい、金曜日のミーティングで聞かせてもらえれば嬉しいが。と言われるが、実は金曜日午前中はUNDPとの会議があり、そちらにも行かなければならない。
あまりゆっくり話せないかもしれない、残念。
9/28 Good Urban Governance Regional Conference day-2
コソヴォ周辺国でのプランニングと地方自治の現状についてのセッション。マケドニアのスコピエ・ゴスティバ、アルバニア、クロアチア、モンテネグロから参加した方の状況報告。
最後にクリスティーナとポールテイラーのコメントで会議終了。
周辺各国との情報交換、今後コソヴォの地方自治をどのように進めていくのか、その課題について貴重な議論が交わされた良いコンフェレンスであった。
その後皆でビールを。ラマダンが始まっていて、シャムスは日中断食をしている敬虔なムスリム。申し訳ないが、遠慮なくビールを頂く。
19時からフランク宅でプランニング部局のタスクフォースミーティングを行うことになっていたので、シアンと私はその足でフランクの家へ。コベはコソヴォの映画を観に、エリックとシャムスは食事にでかける。
フランク宅では既に食事と飲みの用意がされていて、グンナーとボスニアのモスタルHABITATから来ているカナダ人のプランナーがいた。皆で食事にワイン、情報交換やら笑いやらで時間を過ごす。
彼はナイロビで研修をうけてまだモスタルの職場に着いて数週間とのこと。
ベルギー、マレーシア、スウェーデン、カナダ、日本のプランナーでワイワイ飲んで食べてしながら、コソヴォの自治体プランニング部局のあり方について議論をする。
各国の経験とコソヴォの実情を踏まえた議論がとても面白い。こうして議論する場があることが、とても貴重だと感じる。
途中で停電、まさにコソヴォらしさ満喫。ローソクに頭にカンテラつけて議論。
夜も更けて会議もお開き。その後我が家にシアンとコベが宿泊。コベはまだ飲んでいない。この間シャムスがいつも泊まって悪いからとお酒を持ってきた、コベは何も持ってこないよと話をしたら、「え?宿泊代ってこと??」なんていって今日は格安2ユーロのワインを持参してきた。
で、2次会3人で我が家で飲み。
9/29 ハビタット・リエゾンオフィス+ルーベン大学
リエゾンオフィスのポールテイラー、ルーベン大学教授のケリーとミーティング。ケリーは今までもHABITATのプログラムに協同参加している。CTAのエリザベットとはベトナムのハノイのプロジェクトで一緒だったようである。彼女の関わってきたアジアアフリカなどのプロジェクトで、都市や地域の改善手法としてUrban Pact(都市条約)という手法を用いている。
これは日本でいう、都市憲章、まちづくり憲章に近いもので、都市の目指すべき方向性を議論して、様々な段階で様々な主体とのpactを作っていくというものである。
ケリーを、フェリザイのモビリティセンタープロジェクトに参加させては、とフランクが提案していたので、今後は私と連携することになる可能性が高い。
手法としてのUrban Pactと、現在のコソヴォのプランニングプロセスとのすりあわせがうまく行くかどうか、プランニングのスピードがかなり速い(市長の指令により)状況のなかで、スピードを落として内容のあるプラン策定へと向かわせる手段、実効性の高い計画を導く手法になるかどうか。
残念ながら話も途中で、UNDPの会議に出席しなければならないため、国際プランナーは会議を離れる。
その後、グンナーにメールして、EUの公共交通政策について訪ねる。コソヴォの鉄道の位置づけなどを確認すると、現段階では最優先プロジェクトには入っていないが地図上では示されているとのこと。ネットで資料を収集、検索整理する。
9/30-10/1 TPR準備
来週のTPRのためのPPT資料を用意するため休日返上。忙しい。30枚のPPTを作成し、6ヶ月間の自治体プランニングの成果を整理する。
月曜日、部長会議兼自治体プランニングチームの前でプレゼンしなければならない。自分でセッティングしたのだが、時間がない。
通常業務、資料整理や今後の計画など。モビリティセンターに関する今後の進め方をムスタファと議論する。
9/27 Good Urban Governance Regional Conference day-1
コンフェレンス初日、スピーチにコソヴォSRSG(国連事務総長代理)のルーカーが名前を連ねていた ので楽しみにしていたが、急遽欠席。
コソヴォ大臣、環境・地域空間計画大臣の挨拶から地方政府大臣、HABITAT、ブリュッセル・リエゾンオフィスのポールテイラーによる公演。
後半はHABITATクリスティーナによる市民活動団体の参加について、フェリザイCEOのスピーチ、ボスニアヘルツェゴビナ、モスタルにあるHABITATスタッフによる事例説明、プリシュティナ市長のスピーチなど。
テーマは如何に都市の秩序、地域空間計画を皆の手で作り上げていくか。というもの。
更にルーベン大学教授のケリーによる、過去のHABITATと連携して行ったプロジェクトについて説明がなされる。
過去のコンフェレンスのなかでは、一番内容のあるもので、ポールテイラーによる仕切りがよく、全体として成果のあった会議であった。
コーヒーブレイクの際に、ポールテイラーに話しかけられる。
プログラムにおいて、自治体プランナーとの連携、コンサルタントとの調整。どの程度の意識があるか、プランニング推進にどのような障害があるのか。それに対してどんなことができるのか?
さすがに意見がシンプルかつわかりやすい、そして説明がユニークである。こういう人と仕事をしたら面白いだろうなと思う。
現場の話をもっとよく聞きたい、金曜日のミーティングで聞かせてもらえれば嬉しいが。と言われるが、実は金曜日午前中はUNDPとの会議があり、そちらにも行かなければならない。
あまりゆっくり話せないかもしれない、残念。
9/28 Good Urban Governance Regional Conference day-2
コソヴォ周辺国でのプランニングと地方自治の現状についてのセッション。マケドニアのスコピエ・ゴスティバ、アルバニア、クロアチア、モンテネグロから参加した方の状況報告。
最後にクリスティーナとポールテイラーのコメントで会議終了。
周辺各国との情報交換、今後コソヴォの地方自治をどのように進めていくのか、その課題について貴重な議論が交わされた良いコンフェレンスであった。
その後皆でビールを。ラマダンが始まっていて、シャムスは日中断食をしている敬虔なムスリム。申し訳ないが、遠慮なくビールを頂く。
19時からフランク宅でプランニング部局のタスクフォースミーティングを行うことになっていたので、シアンと私はその足でフランクの家へ。コベはコソヴォの映画を観に、エリックとシャムスは食事にでかける。
フランク宅では既に食事と飲みの用意がされていて、グンナーとボスニアのモスタルHABITATから来ているカナダ人のプランナーがいた。皆で食事にワイン、情報交換やら笑いやらで時間を過ごす。
彼はナイロビで研修をうけてまだモスタルの職場に着いて数週間とのこと。
ベルギー、マレーシア、スウェーデン、カナダ、日本のプランナーでワイワイ飲んで食べてしながら、コソヴォの自治体プランニング部局のあり方について議論をする。
各国の経験とコソヴォの実情を踏まえた議論がとても面白い。こうして議論する場があることが、とても貴重だと感じる。
途中で停電、まさにコソヴォらしさ満喫。ローソクに頭にカンテラつけて議論。
夜も更けて会議もお開き。その後我が家にシアンとコベが宿泊。コベはまだ飲んでいない。この間シャムスがいつも泊まって悪いからとお酒を持ってきた、コベは何も持ってこないよと話をしたら、「え?宿泊代ってこと??」なんていって今日は格安2ユーロのワインを持参してきた。
で、2次会3人で我が家で飲み。
9/29 ハビタット・リエゾンオフィス+ルーベン大学
リエゾンオフィスのポールテイラー、ルーベン大学教授のケリーとミーティング。ケリーは今までもHABITATのプログラムに協同参加している。CTAのエリザベットとはベトナムのハノイのプロジェクトで一緒だったようである。彼女の関わってきたアジアアフリカなどのプロジェクトで、都市や地域の改善手法としてUrban Pact(都市条約)という手法を用いている。
これは日本でいう、都市憲章、まちづくり憲章に近いもので、都市の目指すべき方向性を議論して、様々な段階で様々な主体とのpactを作っていくというものである。
ケリーを、フェリザイのモビリティセンタープロジェクトに参加させては、とフランクが提案していたので、今後は私と連携することになる可能性が高い。
手法としてのUrban Pactと、現在のコソヴォのプランニングプロセスとのすりあわせがうまく行くかどうか、プランニングのスピードがかなり速い(市長の指令により)状況のなかで、スピードを落として内容のあるプラン策定へと向かわせる手段、実効性の高い計画を導く手法になるかどうか。
残念ながら話も途中で、UNDPの会議に出席しなければならないため、国際プランナーは会議を離れる。
その後、グンナーにメールして、EUの公共交通政策について訪ねる。コソヴォの鉄道の位置づけなどを確認すると、現段階では最優先プロジェクトには入っていないが地図上では示されているとのこと。ネットで資料を収集、検索整理する。
9/30-10/1 TPR準備
来週のTPRのためのPPT資料を用意するため休日返上。忙しい。30枚のPPTを作成し、6ヶ月間の自治体プランニングの成果を整理する。
月曜日、部長会議兼自治体プランニングチームの前でプレゼンしなければならない。自分でセッティングしたのだが、時間がない。
Abstract-45; Team meeting
9/21 チームミーティング
午前中は来週~再来週にかけてあるコンフェレンスの確認。9/27~28にはGood Urban Governance の地域コンフェレンスが開催される。9/29にはコンフェレンスに参加するUN-HABITATのブリュッセル・リエゾンオフィスのポールテイラー、ベルギーのルーベン大学教授ケリーシャノンがスタッフとミーティングをセットしてほしいとのこと。
このコンフェレンスで、フェリザイとジランのCEOにスピーチを頼みたいと要請がある。相談して内容を議論しなければならない。
また10/4~5はTPR(プログラム進捗状況確認)ミーティングがある。これは6ヶ月ごとに行われるもので、プログラム支援をしているスウェーデン政府(SIDA)とHABITATナイロビ本部からダンルイスが視察に来る。
6自治体の進捗状況、特に現段階までの成果をプレゼンすることが求められる。更に、主要な自治体としてフェリザイとペーヤが選ばれ、更に詳しいプレゼンと自治体訪問をアレンジしてほしいとのこと。CTAのエリザベット曰く、「プログラムが進んでいることを良く示してほしい。」ということ。
いつの間にか、担当しているフェリザイのプロジェクトが、HABITAT Kosovoのメインプロジェクトに位置づけられて上司がいっぱい乗っかってくる。フェリザイのためにも良いことでしょう。
了解、うまくやりましょう。
国際スタッフの一人、シアンが帰国することになった。また戻ってくるとのことであるが、どうなるかはわからない。彼が自治体のプランニング部門の今後のあり方について検討したドキュメントをどうするかとの議論になる。今回のコンフェレンスで使用できればと思っていたもののもう少し時間が必要である。フランクに任せておくとお蔵入りになりかねない。シアンの努力も無駄にしたくない。
「タスクフォースを作って、彼のメモを引き継ぎ検討しよう」と提案する。
で、私が引き継ぐことに。その他グンナー、フランクもグループに参加してくれることになった。シアンを入れて来週検討を行うことにする。
午後は、フランクがビジョニング・ワークショップの事例と実践についてプレゼンを行った。そのなかでテストケースとしてフェリザイモビリティセンタープロジェクトのビジョニングを皆で行ってみたい、と前日相談があった。そのため私と公共交通専門家のグンナーで素材を用意。
関係権利者として、市長・自治体プランナー・民間投資家・住民・コソヴォ鉄道等々、個々が役割を演じて、ビジョニングを行う。
日本でも良く行われる手法、皆で議論をしながら地図に地域の良いところや課題などを示していき、最後に地域が目指す方向性(ビジョン)を定める、というもの。
おつきあいで参加。
実はグンナーと私とで、実現可能性の高いモビリティセンター案のスケッチができあがっている。が、市民参加によるビジョニングなど、市民の意向を把握するため、これらのスケッチは机の下にもっておく。ソニーエリクソンに次ぐ、スウェーデンと日本のコラボレーション作品。
9/22 日程調整など
コンフェレンスの日程調整を行う。モビリティセンタープロジェクトについて、自治体プランニングチームと事前に議論しておきたいので、会議をセットする。
その他、スウェーデン・モビリティセンター視察旅行の日程を調整。
夕方から電車に乗ってスコピエへ。ドイツ外交官夫妻にご招待を受けて、一緒にインド料理を食べに行く。その後、ご自宅に招待してもらう。立派な邸宅にため息。
体調がよくないのでお酒はいらない、というものの、日本酒を出されてついつい飲んでしまう。やっぱり美味しい、身体に沁みる。
あとはお茶に虎屋の羊羹、柿ピー、スルメまで用意されて、ご機嫌になる。
遠慮なくついついごちそうになり、スコピエで一泊。
9/23-25 休日
オーソドックスの休日だったか、とにかく3連休。スコピエで泊まった後、市内の川沿いをのんびり散歩してバスターミナルへ。そのままプリシュティナへ帰る。
特に何をするでもなく、DVDを見たり資料を整理したり掃除したり。
のんびり休日を過ごす。
午前中は来週~再来週にかけてあるコンフェレンスの確認。9/27~28にはGood Urban Governance の地域コンフェレンスが開催される。9/29にはコンフェレンスに参加するUN-HABITATのブリュッセル・リエゾンオフィスのポールテイラー、ベルギーのルーベン大学教授ケリーシャノンがスタッフとミーティングをセットしてほしいとのこと。
このコンフェレンスで、フェリザイとジランのCEOにスピーチを頼みたいと要請がある。相談して内容を議論しなければならない。
また10/4~5はTPR(プログラム進捗状況確認)ミーティングがある。これは6ヶ月ごとに行われるもので、プログラム支援をしているスウェーデン政府(SIDA)とHABITATナイロビ本部からダンルイスが視察に来る。
6自治体の進捗状況、特に現段階までの成果をプレゼンすることが求められる。更に、主要な自治体としてフェリザイとペーヤが選ばれ、更に詳しいプレゼンと自治体訪問をアレンジしてほしいとのこと。CTAのエリザベット曰く、「プログラムが進んでいることを良く示してほしい。」ということ。
いつの間にか、担当しているフェリザイのプロジェクトが、HABITAT Kosovoのメインプロジェクトに位置づけられて上司がいっぱい乗っかってくる。フェリザイのためにも良いことでしょう。
了解、うまくやりましょう。
国際スタッフの一人、シアンが帰国することになった。また戻ってくるとのことであるが、どうなるかはわからない。彼が自治体のプランニング部門の今後のあり方について検討したドキュメントをどうするかとの議論になる。今回のコンフェレンスで使用できればと思っていたもののもう少し時間が必要である。フランクに任せておくとお蔵入りになりかねない。シアンの努力も無駄にしたくない。
「タスクフォースを作って、彼のメモを引き継ぎ検討しよう」と提案する。
で、私が引き継ぐことに。その他グンナー、フランクもグループに参加してくれることになった。シアンを入れて来週検討を行うことにする。
午後は、フランクがビジョニング・ワークショップの事例と実践についてプレゼンを行った。そのなかでテストケースとしてフェリザイモビリティセンタープロジェクトのビジョニングを皆で行ってみたい、と前日相談があった。そのため私と公共交通専門家のグンナーで素材を用意。
関係権利者として、市長・自治体プランナー・民間投資家・住民・コソヴォ鉄道等々、個々が役割を演じて、ビジョニングを行う。
日本でも良く行われる手法、皆で議論をしながら地図に地域の良いところや課題などを示していき、最後に地域が目指す方向性(ビジョン)を定める、というもの。
おつきあいで参加。
実はグンナーと私とで、実現可能性の高いモビリティセンター案のスケッチができあがっている。が、市民参加によるビジョニングなど、市民の意向を把握するため、これらのスケッチは机の下にもっておく。ソニーエリクソンに次ぐ、スウェーデンと日本のコラボレーション作品。
9/22 日程調整など
コンフェレンスの日程調整を行う。モビリティセンタープロジェクトについて、自治体プランニングチームと事前に議論しておきたいので、会議をセットする。
その他、スウェーデン・モビリティセンター視察旅行の日程を調整。
夕方から電車に乗ってスコピエへ。ドイツ外交官夫妻にご招待を受けて、一緒にインド料理を食べに行く。その後、ご自宅に招待してもらう。立派な邸宅にため息。
体調がよくないのでお酒はいらない、というものの、日本酒を出されてついつい飲んでしまう。やっぱり美味しい、身体に沁みる。
あとはお茶に虎屋の羊羹、柿ピー、スルメまで用意されて、ご機嫌になる。
遠慮なくついついごちそうになり、スコピエで一泊。
9/23-25 休日
オーソドックスの休日だったか、とにかく3連休。スコピエで泊まった後、市内の川沿いをのんびり散歩してバスターミナルへ。そのままプリシュティナへ帰る。
特に何をするでもなく、DVDを見たり資料を整理したり掃除したり。
のんびり休日を過ごす。
Abstract-44; Public Involvement
9/11 村落ミーティング(南東地域)
ソエボ村小学校の教室でミーティングの準備をする。プロジェクターとパソコンをセッティング。コンサルタント・INTECHのボスと2名のプランナー、自治体プランナー、自治体CEO、NGOのケナンとハビタットで参加者を待つ。ミーティングの開催時間は17時。
学校の教員がいるものの、まったく人が来ない。地方テレビでの公告、学校訪問・ビラ貼りにもかかわらず、最終的に参加したのは1名。
この日は結局ミーティングは開催されなかった。市民参加は無用といっていた地元コンサルのボスは、「いわんこっちゃない」といわんばかりに、にこやか。
解散する前に、CEOが皆をコーヒーに誘ってくれた。われわれはブルーなのでコンサルと話さずにさ早々帰りたいものの、付き合いで少し顔を出す。
レストランにはたくさんの人がいた。
「ここでプレゼンするのがいいんじゃないか?」
なんて冗談も、笑えない。
今後、参加者がいないようであれば、市民参加の必要性を今後訴えるのが難しいかもしれない。
9/12 村落ミーティング(北東地域)
午後にOSCE(欧州安全保障機構)のジャンルーカがオフィスに来る。UNハビタットは現在、自治体ディベロップメントプランとアーバンディベロップメントプラン策定のための意見聴取をしており、昨日の参加者が1名であったことなどを話す。
彼らは、人権問題が起こっていないかなど、自治体の運営状況をモニタリングするのが仕事である。OSCEが自治体予算に関する地元ミーティングを彼らが主催したときも、かなりの公告をして参加者が10名程度だったらしい。
「ディベロップメントプラン策定支援、興味深い活動なので今後も密に連絡取り合いましょう。参加者の少なさは、どうしようもないですね。ま、僕の出身のイタリアでだって、こうした会合が自治体により開催されるけれど出席者は多くないし(笑)。気を落とさないように。」
と慰められる。民主主義の第一歩、まだスタートしたばかりなので、辛抱強く頑張りますよ、。
村落ミーティング2日目、アイダは「業務時間外のミーティングだから参加できない」と言う。しかし、ハビタットが市民参加の必要性をこれだけ説いて、当の我々が欠席では、信用失墜。
彼女を諭してもはじまらないので、夕方からのミーティングは僕が参加するから帰ってよし、ということにする。通訳もなく村落会合にでても要領を得ないが、そこにいて、空気を読んで、できる限り状況を把握しておく。ハビタットとしてモニタリングしなければならない。 実際、彼女がいても常に翻訳してくれるわけじゃない。もうすぐ専属の通訳がつくので楽にはなる。
孤立無援の状況にあっても、それでも私が参加して見守っていることに、多くの人々が好意をもってくれている。信用を得ることが大事であるし、仕事の一部でもある。
今日のミーティングはソフタイ村小学校、学校教員も含めて15名程度が集まる。CEOの挨拶のもと、自治体プランナーのムスタファがディベロップメントプラン策定経緯や参加について説明、続いてインテックによるフェリザイの状況説明。最後にムスタファが今後のチャレンジを説明する。
参加者からさまざまな質問、資料での説明の間違いや現状について指摘がある。
また、自治体が地元に信用されていないので、個人的な要求から最後には政治的な意見も多々出される。後半は混沌として、一人の老人が演説を始める始末。
NGOのケナンが、もう8時過ぎているので終わらせたい、という感じである。プロジェクターの電源を落として、話をいったん終わりにする。
プランニングへの適切な指摘もあった。コンサルタントも、真剣にメモを取る。
9/13 村落ミーティング(南西地域)
昨日、プリシュティナでハビタット主催のシビルソサエティのワークショップが開催された。私は村落ミーティングで多忙なので欠席してアイダが参加した。
6自治体が参加して議論がなされたものの、アイダ曰く 、
「フェリザイの自治体職員は全く議論ができない。状況もわかっていない。他自治体に比べて劣っている。フェリザイはUS-AIDのような組織の支援も受けていないし、他の自治体よりも状況が悪すぎる。とても不快な気分だった。都市部局部長だってミーティングに参加できただろうに来ていない。」
と批判を始める。実際は、他の自治体を担当しているローカルスタッフとの見栄の張り合いのなかで、自分が負けた、と感じたようである。ばかばかしいはなしであるが、事実。
「だけど、いまの状況は変えられないでしょ?どうすればいいと思う?限られた状況のなかできることをやらなければいけない、それが僕らの置かれている状況なんだから。それに、都市部局部長が参加していないというけど、彼らは夜のミーティングにいつも参加しているんだよ?そのミーティングに参加していないアイダが、彼らを非難するのはおかしいんじゃない?夜のミーティングに参加しろとは言っていないけれど、他人を非難しちゃいけない。」と諭す。
そして一言、彼女は、小さな声で、
「私は悪くない、、、、。」
しばらくして頭を冷やしたのか、今の状況でできることをしようと考え始めた。そんなところが彼女の偉いところである。
今日のミーティングはロシュコバーレ小学校で開催された。参加者は20名程度。
ミーティング前に小学生に誘われて、ミニフットボールをする。
自治体プランナーも、コンサルもずいぶんと説明に慣れてきた。
9/14 村落ミーティング(北西地域)
今日のミーティングはザスコック小学校で開催される。なんと30名以上が参加。
住民からの意見として、自治体が情報を提供して話を聴いてくれることは大歓迎だということ、これこそが民主主義であるとの喜びの声があった。
プランニングに関する意見もいくつかあり、コンサルのプランナーもミーティングを楽しんでいるようである。彼らにも、ありがとうと感謝された。
市民参加がすべてを決めるとは思わない。
しかし実現できるプランを作るには、地元の意見が不可欠である。専門家としてのプランニングと地元との議論のなかから、実効性のあるプランができあがる。
9/15 フェリザイ市内ミーティング1
フェリザイ自治体で14時からミーティングなので、アイダに参加してもらう。シティセンターの現況調査にでかけて一日外を歩き回る。
奇妙な人が街を歩いてなにかチェックしている、という感じでいろんな人が寄ってくる。いろんな人と話をしながらの現況調査、特に鉄道駅の存在について、市民の感覚を知るためにヒアリングもついでに行う。
皆が声をそろえて言うのが
「鉄道は危険。たくさんの人が事故にあっている。」
というもので、その利便性や将来の可能性、メリットについては一切考えられていない。
フェリザイ市内ミーティングは参加者2名。
9/18 フェリザイ市内ミーティング2
今日もシティセンターの現況調査。やっと建物の用途と階数のチェックを終える。
ついでに人と車の動線チェック。
フェリザイ市内ミーティングは今日も参加者2名。アイダは呆れ顔。
9/19 シビルソサエティ ミーティング
NGOとの議論は重要なので今日のミーティングを楽しみにしていたものの、3団体の参加にとどまる。直接NGOと連絡を取って連携するべきところを、十分な連絡が取られなかった模様。
しかし、参加者は自治体とハビタットとの連携を深めてくれるそうである。
9/20 ビジネスコミュニティ ミーティング
フェリザイで商業・ビジネスを営む人を対象としたミーティングを開催した。参加者2名。今後、フェリザイ駅の駅機能と広域バスセンター機能を統合した「モビリティセンタープロジェクト」を推進するためにも、民間投資家の意見聴取は重要になる。
実際のところは、大規模土地所有者や大規模郊外型ショッピングセンター経営者にターゲットを絞ってヒアリングをすべきだろう。
ディベロップメントプランの意見聴取として8回のミーティングを開催し、それが今日でひと段落ついた。周知の方法、参加者を増やす手段などの工夫が今後必要となる。
さまざまな意味で、参加した市民も、自治体プランナーもコンサルも、得るものがあったようである。コンサルもUN-HABITATに協力的な姿勢である。
ソエボ村小学校の教室でミーティングの準備をする。プロジェクターとパソコンをセッティング。コンサルタント・INTECHのボスと2名のプランナー、自治体プランナー、自治体CEO、NGOのケナンとハビタットで参加者を待つ。ミーティングの開催時間は17時。
学校の教員がいるものの、まったく人が来ない。地方テレビでの公告、学校訪問・ビラ貼りにもかかわらず、最終的に参加したのは1名。
この日は結局ミーティングは開催されなかった。市民参加は無用といっていた地元コンサルのボスは、「いわんこっちゃない」といわんばかりに、にこやか。
解散する前に、CEOが皆をコーヒーに誘ってくれた。われわれはブルーなのでコンサルと話さずにさ早々帰りたいものの、付き合いで少し顔を出す。
レストランにはたくさんの人がいた。
「ここでプレゼンするのがいいんじゃないか?」
なんて冗談も、笑えない。
今後、参加者がいないようであれば、市民参加の必要性を今後訴えるのが難しいかもしれない。
9/12 村落ミーティング(北東地域)
午後にOSCE(欧州安全保障機構)のジャンルーカがオフィスに来る。UNハビタットは現在、自治体ディベロップメントプランとアーバンディベロップメントプラン策定のための意見聴取をしており、昨日の参加者が1名であったことなどを話す。
彼らは、人権問題が起こっていないかなど、自治体の運営状況をモニタリングするのが仕事である。OSCEが自治体予算に関する地元ミーティングを彼らが主催したときも、かなりの公告をして参加者が10名程度だったらしい。
「ディベロップメントプラン策定支援、興味深い活動なので今後も密に連絡取り合いましょう。参加者の少なさは、どうしようもないですね。ま、僕の出身のイタリアでだって、こうした会合が自治体により開催されるけれど出席者は多くないし(笑)。気を落とさないように。」
と慰められる。民主主義の第一歩、まだスタートしたばかりなので、辛抱強く頑張りますよ、。
村落ミーティング2日目、アイダは「業務時間外のミーティングだから参加できない」と言う。しかし、ハビタットが市民参加の必要性をこれだけ説いて、当の我々が欠席では、信用失墜。
彼女を諭してもはじまらないので、夕方からのミーティングは僕が参加するから帰ってよし、ということにする。通訳もなく村落会合にでても要領を得ないが、そこにいて、空気を読んで、できる限り状況を把握しておく。ハビタットとしてモニタリングしなければならない。 実際、彼女がいても常に翻訳してくれるわけじゃない。もうすぐ専属の通訳がつくので楽にはなる。
孤立無援の状況にあっても、それでも私が参加して見守っていることに、多くの人々が好意をもってくれている。信用を得ることが大事であるし、仕事の一部でもある。
今日のミーティングはソフタイ村小学校、学校教員も含めて15名程度が集まる。CEOの挨拶のもと、自治体プランナーのムスタファがディベロップメントプラン策定経緯や参加について説明、続いてインテックによるフェリザイの状況説明。最後にムスタファが今後のチャレンジを説明する。
参加者からさまざまな質問、資料での説明の間違いや現状について指摘がある。
また、自治体が地元に信用されていないので、個人的な要求から最後には政治的な意見も多々出される。後半は混沌として、一人の老人が演説を始める始末。
NGOのケナンが、もう8時過ぎているので終わらせたい、という感じである。プロジェクターの電源を落として、話をいったん終わりにする。
プランニングへの適切な指摘もあった。コンサルタントも、真剣にメモを取る。
9/13 村落ミーティング(南西地域)
昨日、プリシュティナでハビタット主催のシビルソサエティのワークショップが開催された。私は村落ミーティングで多忙なので欠席してアイダが参加した。
6自治体が参加して議論がなされたものの、アイダ曰く 、
「フェリザイの自治体職員は全く議論ができない。状況もわかっていない。他自治体に比べて劣っている。フェリザイはUS-AIDのような組織の支援も受けていないし、他の自治体よりも状況が悪すぎる。とても不快な気分だった。都市部局部長だってミーティングに参加できただろうに来ていない。」
と批判を始める。実際は、他の自治体を担当しているローカルスタッフとの見栄の張り合いのなかで、自分が負けた、と感じたようである。ばかばかしいはなしであるが、事実。
「だけど、いまの状況は変えられないでしょ?どうすればいいと思う?限られた状況のなかできることをやらなければいけない、それが僕らの置かれている状況なんだから。それに、都市部局部長が参加していないというけど、彼らは夜のミーティングにいつも参加しているんだよ?そのミーティングに参加していないアイダが、彼らを非難するのはおかしいんじゃない?夜のミーティングに参加しろとは言っていないけれど、他人を非難しちゃいけない。」と諭す。
そして一言、彼女は、小さな声で、
「私は悪くない、、、、。」
しばらくして頭を冷やしたのか、今の状況でできることをしようと考え始めた。そんなところが彼女の偉いところである。
今日のミーティングはロシュコバーレ小学校で開催された。参加者は20名程度。
ミーティング前に小学生に誘われて、ミニフットボールをする。
自治体プランナーも、コンサルもずいぶんと説明に慣れてきた。
9/14 村落ミーティング(北西地域)
今日のミーティングはザスコック小学校で開催される。なんと30名以上が参加。
住民からの意見として、自治体が情報を提供して話を聴いてくれることは大歓迎だということ、これこそが民主主義であるとの喜びの声があった。
プランニングに関する意見もいくつかあり、コンサルのプランナーもミーティングを楽しんでいるようである。彼らにも、ありがとうと感謝された。
市民参加がすべてを決めるとは思わない。
しかし実現できるプランを作るには、地元の意見が不可欠である。専門家としてのプランニングと地元との議論のなかから、実効性のあるプランができあがる。
9/15 フェリザイ市内ミーティング1
フェリザイ自治体で14時からミーティングなので、アイダに参加してもらう。シティセンターの現況調査にでかけて一日外を歩き回る。
奇妙な人が街を歩いてなにかチェックしている、という感じでいろんな人が寄ってくる。いろんな人と話をしながらの現況調査、特に鉄道駅の存在について、市民の感覚を知るためにヒアリングもついでに行う。
皆が声をそろえて言うのが
「鉄道は危険。たくさんの人が事故にあっている。」
というもので、その利便性や将来の可能性、メリットについては一切考えられていない。
フェリザイ市内ミーティングは参加者2名。
9/18 フェリザイ市内ミーティング2
今日もシティセンターの現況調査。やっと建物の用途と階数のチェックを終える。
ついでに人と車の動線チェック。
フェリザイ市内ミーティングは今日も参加者2名。アイダは呆れ顔。
9/19 シビルソサエティ ミーティング
NGOとの議論は重要なので今日のミーティングを楽しみにしていたものの、3団体の参加にとどまる。直接NGOと連絡を取って連携するべきところを、十分な連絡が取られなかった模様。
しかし、参加者は自治体とハビタットとの連携を深めてくれるそうである。
9/20 ビジネスコミュニティ ミーティング
フェリザイで商業・ビジネスを営む人を対象としたミーティングを開催した。参加者2名。今後、フェリザイ駅の駅機能と広域バスセンター機能を統合した「モビリティセンタープロジェクト」を推進するためにも、民間投資家の意見聴取は重要になる。
実際のところは、大規模土地所有者や大規模郊外型ショッピングセンター経営者にターゲットを絞ってヒアリングをすべきだろう。
ディベロップメントプランの意見聴取として8回のミーティングを開催し、それが今日でひと段落ついた。周知の方法、参加者を増やす手段などの工夫が今後必要となる。
さまざまな意味で、参加した市民も、自治体プランナーもコンサルも、得るものがあったようである。コンサルもUN-HABITATに協力的な姿勢である。
Abstract-43; EU world Heritage day
9/9 欧州連合 世界遺産の日
UNMIK 文化・青年・スポーツ省が主催となり、さまざまな文化的活動が主催されている。数ヶ月前にはスペインのフットボール強豪チーム「レアルマドリード」と提携、レアルのコーチングスタッフがコソヴォの主要都市を回り、子供にフットボールを教えるイベントが行われた。この支援は継続的に行われ、優秀な青年はレアルマドリードの下部クラブに召集される可能性がある。
旧ユーゴスラビアはフットボール強豪国であるが、連邦解体に伴い、その力も衰退している。コソヴォにもフットボールリーグがあるが、日本の社会人サッカー以下のレベル。
文化スポーツ活動の推進は、人々に心豊かな生活を与えることができる。
今回、EUの世界遺産の日に併せて、小さな博物館がオープンした。プリシュティナ郊外、地域幹線道路から少し入った住宅地にあり、直接車では入れないような細い未舗装の道路に面している。立地からも想像できるように、市民が日常的に通う博物館とは程遠い。
この博物館は、民族紛争の凄惨さを忘れない、というコンセプトをもとに設立された。焼き討ちされて廃墟となったセルビア人住居の隣に建設され、住居跡をそのまま保存し、屋外展示場にしている。
住居跡と小さな博物館との間に中庭があり、そこでオープニングセレモニーが開催された。
バイオリンの演奏に立食パーティ。
芸術文化活動は、衣食住足りていない紛争後の生活のなかでは決して根付くものではないが、こうした活動を支援し、実現するだけの状況がある。
いまは国際支援により成り立っているが、いつか、芸術文化を大切にする風潮が育つかどうか。
9/10 UNMIK内のショップ
夏期休暇明けから、一気に秋を通り越して冬になりそうな気配がある。コソヴォの秋は小雨が多いようである。
普段は晩御飯を自宅で作っているが、そろそろバルカンの食材に飽きてきた。
プリシュティナ市内、グランドホテルに隣接するUNMIK本部には、各国の食材、衣類、電化製品などが販売されているブルーショップがある。IDを提示し、敷地内に入る。
ギリシャでドラフトビールを飲んでから、コソヴォの地元ビール(ペーヤビール)では満足できなくなってきた。今まではペーヤビールを飲むのが基本だったが、ブルガリアへ行ったときのDuty Freeでグレン・フィディック(スコッチ)を見つけたので、最近はこれを飲んでいる。しかし、それもなくなりそう。
コソヴォのワインもあるが、味はお勧めできない。紛争前のラベルのものは15ユーロ以上するものの、普通のワインは2ユーロで買える。偽物天国コソヴォでは、プレミアムのワインもラベルを信用できない。モンテネグロのワインはなかなか美味しく、一般のスーパーで購入できる。
イタリア産ワイン、生ハム、パン、タコスの材料などを買う。グレン・フィディックはなかった、残念。
UNMIK 文化・青年・スポーツ省が主催となり、さまざまな文化的活動が主催されている。数ヶ月前にはスペインのフットボール強豪チーム「レアルマドリード」と提携、レアルのコーチングスタッフがコソヴォの主要都市を回り、子供にフットボールを教えるイベントが行われた。この支援は継続的に行われ、優秀な青年はレアルマドリードの下部クラブに召集される可能性がある。
旧ユーゴスラビアはフットボール強豪国であるが、連邦解体に伴い、その力も衰退している。コソヴォにもフットボールリーグがあるが、日本の社会人サッカー以下のレベル。
文化スポーツ活動の推進は、人々に心豊かな生活を与えることができる。
今回、EUの世界遺産の日に併せて、小さな博物館がオープンした。プリシュティナ郊外、地域幹線道路から少し入った住宅地にあり、直接車では入れないような細い未舗装の道路に面している。立地からも想像できるように、市民が日常的に通う博物館とは程遠い。
この博物館は、民族紛争の凄惨さを忘れない、というコンセプトをもとに設立された。焼き討ちされて廃墟となったセルビア人住居の隣に建設され、住居跡をそのまま保存し、屋外展示場にしている。
住居跡と小さな博物館との間に中庭があり、そこでオープニングセレモニーが開催された。
バイオリンの演奏に立食パーティ。
芸術文化活動は、衣食住足りていない紛争後の生活のなかでは決して根付くものではないが、こうした活動を支援し、実現するだけの状況がある。
いまは国際支援により成り立っているが、いつか、芸術文化を大切にする風潮が育つかどうか。
9/10 UNMIK内のショップ
夏期休暇明けから、一気に秋を通り越して冬になりそうな気配がある。コソヴォの秋は小雨が多いようである。
普段は晩御飯を自宅で作っているが、そろそろバルカンの食材に飽きてきた。
プリシュティナ市内、グランドホテルに隣接するUNMIK本部には、各国の食材、衣類、電化製品などが販売されているブルーショップがある。IDを提示し、敷地内に入る。
ギリシャでドラフトビールを飲んでから、コソヴォの地元ビール(ペーヤビール)では満足できなくなってきた。今まではペーヤビールを飲むのが基本だったが、ブルガリアへ行ったときのDuty Freeでグレン・フィディック(スコッチ)を見つけたので、最近はこれを飲んでいる。しかし、それもなくなりそう。
コソヴォのワインもあるが、味はお勧めできない。紛争前のラベルのものは15ユーロ以上するものの、普通のワインは2ユーロで買える。偽物天国コソヴォでは、プレミアムのワインもラベルを信用できない。モンテネグロのワインはなかなか美味しく、一般のスーパーで購入できる。
イタリア産ワイン、生ハム、パン、タコスの材料などを買う。グレン・フィディックはなかった、残念。
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